46歳で海外移住→69歳で"イギリス人夫"と死別 それでも日本には帰らず… 73歳女性《ヨーロッパひとり暮らし》のリアル
壊れかけて、それでも続いた関係
広子さんがスペインに渡ったのは1999年。46歳の頃だ。
夫はその3年前にスペインへ渡っていた。友人を頼りに生活の基盤を築いていたが、3年に及ぶ遠距離の日々は、ふたりの生活リズムを別のものにするには十分だった。
イギリスでは博士課程を修め、日本でも大学教授として敬われた夫は、この土地ではただの「外国人」になった。ブリティッシュスーツを着ても、誰も振り返らない。博士号をぶら下げて歩くわけにもいかない。築いてきたものが一切通用しない。その苛立ちは暴言となって、すべて広子さんに向かった。
広子さんにも逃げ場はなかった。スペイン語は「ブエノスディアス(おはよう)」くらいしかわからない。気持ちを打ち明けられる相手もいなかった。更年期も重なっていた。
「毎日ね、なんで私ここにいるんだろう、何やってんだろうって考えていました。あの人は1人で生活できるし、私が死んだとしても、悲しいよって半年くらいは泣くかもしれないけど、適当に新しい相手も見つかるでしょ。なんで生きてるんだろうって」



















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