【医師が注意喚起】麻疹が感染拡大「妊活前にワクチン」の切実な理由…発症者が去っても感染力は持続、新生児は高リスク
2007年の流行を受け、政府は2008年から5年間、中学1年および高校3年相当を対象に追加接種(キャッチアップ)を実施したが、必ずしも十分には行き渡らなかった。
その結果、この世代で2回接種を完了している割合は約7〜8割にとどまり、一定数の感受性者 (麻疹ウイスルに暴露されると感染してしまう人)が残存していると推定される。
こうした免疫ギャップは、20〜40代の子育て世代を中心に存在し、乳児への感染源となりうる構造を生んでいる。
1回接種でも一定の免疫は期待でき、本人の重症化リスクは比較的低い。
問題は、その不十分な免疫状態のまま感染してしまうことだ。本人が気づかなければ、家庭内で乳児へと伝播させてしまうおそれがある。ワクチン接種ができない時期の子どもを守るためには、親世代の免疫を確実に補強するほかない。
ワクチン供給にも構造的な制約がある。流行期には医療機関への問い合わせが殺到し、ワクチンは入荷待ちとなるが、国内供給は主として定期接種を前提に設計されているため、突発的な需要増には十分に対応できない。
その結果、接種を希望しても全員に行き渡らない状況が生じる。
急増する需要に対応するには、ワクチン輸入の活用も選択肢となりえるが、国は国内メーカー保護や国産化政策との兼ね合いから、これまで慎重な姿勢を続けてきた。感染拡大が続く今こそ、こうした供給体制のあり方を国民の視点で再検討する必要があるだろう。
もっとも、こうした制度的議論とは別に、個人レベルで直ちにとれる対策もある。
現在、麻疹ワクチンは生きたウイルスを接種する「生ワクチン」しか存在しない。妊婦は接種できないため、今後、妊娠・出産を考えるカップルは、早期に麻疹ワクチンの2回接種を終えておくことを強く勧めたい。これは、脆弱な乳児を守るための最も確実な手段である。
「麻疹」感染拡大の理由
今回の感染拡大の主因は、海外からの持ち込み症例の増加である。
JIHSの報告では、第11週までの139例中27例が輸入症例であり、感染推定地はインドネシア(11例)が最多のほか、韓国、シンガポール、ヨーロッパ(フランス、イタリア、フィンランド)など多岐にわたる。これらの症例を契機として、国内での二次感染が生じ、流行が拡大している。



















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