「破壊的なかわいさ」「いとおしすぎる」と話題の《小ザル・パンチくん》 爆発的人気を生んだ"敏腕課長の半生"
図書館や読書の魅力を伝えるという点でも、貢献している。「貸出冊数の推移」によると、コロナ前の2019年は228万7263冊で、2023年は231万5170冊と2万7907冊増えた。
「私の図書館長としての3年間は、静かな図書館を賑やかにすることに尽きます。電子書籍の時代に図書館なんかいらないのでは? という意見に対して、私は声を大にして『そんなことございません』と言いたいですね」
図書館長の役割を終えた2024年4月、安永さんは経済産業課長に就いた。ここでは、市川市のデジタル地域通貨「ICHICO(イチコ)」の普及に取り組んだ。
イチコは2023年、市民による地元消費を促すために導入された。利用に際してポイントを付与しており、大手チェーン店は還元率1%、中小の店舗や個人店は5%と差をつけているのも特徴だ。
ただ、安永さんが課長に就任した時点で、実証実験による導入からわずか1年しか経っていなかった。そのため、市の人口約49万人に対して利用者は約1万5000人、加盟店は約270店舗にとどまっていた。
「イチコについて家族に聞いたら、使える店が少ないんでしょと言われました。次に、イチコを導入していない商店街の人に理由を聞いたら、使ってる人が少ないからだと。
要するに、消費者はお店が少ないと言って使わず、お店側は利用者が少ないと言って始めない。これが一番の課題でした。そうなったらもう両方同時にやるしかないと思いました」
商店街やマルシェの現場には親しい店主が大勢いる。安永さんはそのなかでも中心的な店主を一軒、一軒訪ね、「民間の決済サービスは手数料が取られるけど、市が運営するイチコは手数料ゼロだからお得ですよ」と説明して歩いた。すると、加盟店が一気に増えて、1年後には850店舗を超えた。
同時進行で、イチコを導入した店主に呼びかけて、還元ポイントを優遇したイチコ限定のマルシェを市内各地で開催。そこに導入方法などを紹介するブースを出すことで、1年で利用者を約3.4万人まで増やした。多くの店主と知り合いだった安永さんには、イチコを通じてさらにたくさんの店主との交流が生まれた。
大きな手ごたえを感じていた安永さんに、異動の辞令が出たのは2025年4月。その先が、経済観光部動植物園課の課長だった。
動植物園はレジャー施設ではない
市川市動植物園にもほとんど足を向けたことがなく、動植物園について門外漢だった安永さんは、図書館長時代と同じくまずは飼育員など現場の専門家に話を聞いた。その際、思い込みを覆されたという。
「動植物園ってレジャー施設だと思っていたんです。でも、そうじゃなかった。例えば希少な野生生物を動物園と動物園の間で行き来させて繁殖をさせる。それは、生物多様性の確保であり、種の保存を担っているということです。
もうひとつの役割は、できるだけ野生に近い状態で展示をして市民に学習の機会を提供すること。法律上、動植物園は博物館法に定める教育施設なんですよ。職員から話を聞いてその意味がわかりました」



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら