成田空港「第2の開港」へ、総工費6700億円の巨大全貌 ロンドン・NYに並ぶ拠点化への期待と、用地確保86%の「黄色信号」
開港と同じ1978年生まれの千葉県知事・熊谷俊人(47)らは「第2の開港プロジェクト」と名付けた。熊谷は「成田のような存在は我が国に一つしかない。最大の貿易港でもあり、競争力を上げていくことは、ローカルな話ではなく国家としての話。成田は伸び代が大きい」と述べた。周辺地域の街づくりには県が責任を果たすという。
東京税関によると、24年の成田空港からの輸出額は17兆5108億円、輸入額は19兆3233億円。日本の港・空港の貿易額に占める成田の割合は、輸出額は16.4%、輸入額は17.2%で、ともに全国1位だ。
NAAは発着枠が50万回に拡大されれば、貨物量は現在の約200万トンから約300万トンに増え、存在感はさらに高まるとする。空港内の従業員も約4万人から約7万人に増えると見込む。
空港周辺の拡張予定地では住宅移転や造成工事などが進む。30年代からは3つの旅客ターミナルを一つにするワンターミナル化、点在する貨物施設を集約する構想もある。企業も進出し始めた。
不動産準大手のヒューリックと日本航空は成田市内に国際物流施設を整備する。千葉県多古町では総合不動産業グッドマングループが70ヘクタールの物流拠点の開発を進める計画だ。
ANAホールディングス社長の芝田浩二は25年10月30日の決算会見で「国際旅客では成田の発着枠拡大を確実に成長につなげるため、成長戦略を推進する」と述べた。
用地確保には課題が残る
観光客の増加、企業進出、雇用創出など、様々な経済効果に期待を膨らませ、それぞれの思惑でそろばんをはじく関係者たち。この盛り上がりに一役買っているのは、かつて開港への反対運動をしていたメンバーの一部だ。
「三里塚芝山連合空港反対同盟」で20歳のころから成田の開港反対運動をした元芝山町長の相川勝重(75)は、早くから第3滑走路の必要性を訴えた。
同じく反対同盟にいた石毛博道(76)は有志の会の活動で第3滑走路の実現を目指した。相川は「地域のために、地域を守るためにと一生懸命にやったのが私の反対運動。町長としてもまったく同じ思いでやってきた」と語る。


















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