「新庄だったらこれ、酒田だったらこれって、“それじゃなきゃダメ”って人が多いんですよ」
ラーメンが地域文化そのものになっている。この環境で育てば、ラーメン好きになるのは必然とも言える。
食堂で食べられてきた
一方で、鶴岡の「中華そば 琴の」今野店主はまったく違う角度から語る。
「正直、ラーメン文化が特別あるっていう実感はなかったですね」
幼少期は外食自体が少なく、ラーメンに強い思い出もない。ラヲタになったのも、ラーメン好きの妻の影響がきっかけだった。この証言は興味深い。山形にいながら“英才教育”を感じなかった人もいるという事実だ。
しかし現在、今野店主が営む「琴の」は、庄内エリアを代表する人気店の一つとなっている。
「琴の」は、庄内地方の文脈を色濃く引き継ぐ店だ。今野店主は、名店「琴平荘」で修業を積んだのち独立。もともとは食堂文化が根付く地域で、ラーメン専門店という形を選びながらも、誰もが食べられる一杯を追求してきた。
もともと庄内では、ラーメンは専門店よりも食堂で食べるものだった。
「家族で食堂に行って、それぞれ好きなものを頼む。その中にラーメンがあるっていう感じでしたね」
鶴岡では、食堂でラーメンやカツ丼などをそれぞれ注文する。ラーメンは選択肢の一つとして存在していた。つまり山形といっても、エリアによってラーメンとの距離感は大きく異なるのだ。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら