祖父の代から続く味をベースにしながらも、自身の経験と知識を掛け合わせて再構築する。特に軸に据えるのが、山形では馴染み深い牛骨の要素を取り入れた一杯だという。
「昔の味をそのまま出すだけじゃなくて、自分なりに進化させたいんです。山形の牛骨ラーメンって、まだ全国的にはそこまで知られていないので」
ラヲタとして蓄積してきた知識と、店主としての覚悟。その両方を背負った挑戦でもある。そんな大類さんの言葉で象徴的なのがこれだ。
「山形って、お昼何食べる?ってなった時に“ラーメンか、それ以外か”くらいの感覚なんですよ」
ラーメンは選択肢ではなく、基準。山形ではラーメン専門店だけでなく、蕎麦屋や定食屋、さらには焼肉店や寿司店でもラーメンが提供される。結果として、子どもは自然とラーメンに触れる。
「親に連れられてラーメンを食べに行くのが当たり前でしたね」
小1でも「普通に一人前食べる」山形県民
さらに出前文化も根強い。親戚が集まる時、お客さんが家に来た時にラーメンの出前を取るのはお決まりだ。おもてなしのひとつとして山形ではラーメンが昔から根付いている。
新庄市にある「新旬屋 本店」の店主・半田新也さんは小学校3年生くらいから自分で電話してラーメンの出前を頼んでいたという。
そして極め付きが、子どもの食べる「量」である。
「小学校低学年でも普通に一人前食べます。だからお子様ラーメンがあんまり出ないんです」
ラーメンを食べることが成長の証しになる――この感覚は、まさに“英才教育”と呼ぶにふさわしい。



















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