池袋ストーカー刺殺事件の深層 「タイプ別」で見極める凶行の予兆と、現状の警察対応が抱える限界

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通常であれば、恋愛が破綻したとしても、仕事や友人、家族との関係、趣味の活動など、自己価値を見出す場所はほかにもある。あるいは、次の恋愛に希望をつなぐということもあるだろう。

しかし、自我が極めて未熟で、「この関係が自分のすべて」と思い込んでいたような場合、関係の破綻と拒絶に対して、敵意を抱いたり、攻撃的反応を示したりする。さらには、「相手はまだ自分に関心がある」「誤解があるだけだ」といったゆがんだ信念を持ち続けることもある。

愛着スタイルの問題

加えて、愛着スタイルも重要な規定因である。重要な他者との関係が不安定になりやすいタイプの人は、不安型愛着スタイルを持つと考えられる。これは、幼少期の不安定な親子関係などを基盤として、他者からの拒絶や見捨てられることに対する過剰な不安(見捨てられ不安)を特徴とする対人関係パターンである。

このスタイルを持つ個人は、他者との親密性を強く求める一方で、「相手は自分を本当に大切に思っているのか」という不安を慢性的に抱える。そのため、相手の些細な言動にも過敏に反応し、拒絶の兆候を過大に解釈する傾向がある。

行動面では、過度な接触要求、確認行動(頻繁な連絡や愛情確認)、嫉妬や不安の表出がみられる。関係が脅かされると、これらの行動はさらに強まり、ときには言葉の暴力や身体的暴力など、執着的で激情的な行動が生じることがある。

交際破綻に至った場合は、この見捨てられ不安が極端に活性化し、関係の終結を受け入れられず、再接触や関係修復への強い執着につながる。実際、ストーカー加害者の多くに不安型または未解決型の愛着が認められることが報告されている。

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