国際的に評価されなくなったのは「円」なのか「日本」なのか? 1ドル=360円時代よりも今のほうが「円安」と言える訳

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どのくらいが適正かを見るために「購買力平価」というモノサシがあります。両国で同じものが同じ価格で買える相場を示す指標です。

消費者物価、企業(生産者)物価、輸入物価などを使って購買力平価を計算してみると(下図表)、1970年代前半以降、2022年までのドル/円相場は、ほぼ「消費者物価」と「輸入物価」で計算した購買力平価の間で推移していることがわかります。

1ドル=360円時代よりも今のほうが「円安」

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もう少し詳細に見ると、1980年代後半からアベノミクスが始まる2013年頃までの相場は、企業物価と輸入物価の間で推移していました。そして2022年以降は、消費者物価で計算した購買力平価を大きく上に抜けて上昇してしまっています。

この図表から読み取れるのは、1980年代後半からアベノミクス開始までの間で「最も円安だった水準」は、現在に換算すると93円だということです。また、1970年代前半以降で最も円安だった水準は、現在では109円になります。

つまり、実質的には1ドル=360円だった時より、1ドル=150円という今のほうが「円安水準」だということです。

佐々木 融 ふくおかフィナンシャルグループ チーフ・ストラテジスト

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ささき とおる / Tohru Sasaki

2023年12月から現職。日本銀行で調査統計局などを経て国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当し、ニューヨークでアメリカ金融市場分析も行った。2003年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストや市場調査本部長を務め、金融市場を調査・分析してきた。著書に『弱い日本の強い円』(日経プレミアシリーズ)。

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