なぜ「無料サラダバー」と「食べたおでん自己申告制」を続ける?→山奥のローカルチェーンが50年続く"経営の真理"

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「会長が『そういう人はそういう人だから』と。世の中は因果応報というか、自分の行いは自分に返ってくるものでしょうし、このシステムを変えるつもりは今のところありません。だけど、実際のところは、ちゃんと申告してくださるお客さまばかりです」

山椒茶屋
中央に設けられたおでんスペースは店内のどこからでも目に入るので、つい足が伸びる(写真:編集部撮影)

一見きれいごとに聞こえるかもしれないが、無料サラダバーもおでんの自己申告システムも開始して以来変わらず続き、この変化の多い時代のなかで経営を持続させられているということは、結局のところ、「利他の心」を大切にした方針は間違ってはいないということではないか。

スタッフたちにまで浸透している熱い想い

「もちろん他にも経営努力は行っていますが、私たちの真摯であろうとする姿勢はお客さまに認めてもらえてるのかなと思っています」

そして、上層部の熱い想いは、現場のスタッフたちにまでしっかり浸透している。キビキビと働いている様子については前編でも触れた通りだが、「それぞれのスタッフごとに、なじみのお客さまがついている」ほどだという。

「挨拶をしっかりするといった基本的な指導は普段から行っていますし、その他には研修会議を定期的に実施しています。お客さまへの接し方や、会社がどのような理念に基づいて運営しているかといったことを学ぶ勉強会で、アルバイトも含めて全スタッフが参加する決まりとなっています」

表面的な指導だけにとどまらず、会社の理念に基づいて「なぜそれをする必要があるのか」というところまでスタッフに理解してもらう。その重要性は分かっていても、地方の飲食店にとってそこに時間や人員などのリソースを割くのはなかなか難しいものだろう。しかし、山椒茶屋ではそれらを惜しむことはせず、これまでに受け継いできた想いや価値観を全スタッフに浸透させることで、自然と企業風土が育まれている。結果として、たくさんのお客さまに愛される店作りに成功しているのではないだろうか。

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