なぜ「無料サラダバー」と「食べたおでん自己申告制」を続ける?→山奥のローカルチェーンが50年続く"経営の真理"

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お客さんの健康を考え、サラダをメニューに追加するのは理解できる。しかし、なぜ「無料」なのか。冷蔵機能を備えたサラダバーには常に数種類の野菜がこんもりと盛られ、ドレッシングも用意されている。決して「無料だからこんなもんか」と思わせるクオリティのものではない。きっと、経営的に練られた策略があるに違いない。そう考えて野元店長に尋ねると、返ってきたのは「『利他の心』ですね」という、思いもよらない答えだった。

「『お客さまを思いやった経営を』というのが会長の一番の想いでした。最初の頃は、『ドレッシング代だけでもいただいたらどうか』という話もあったのですが、お客さまに喜んでもらうことを考えたら、やっぱり無料でいこうと」

山椒茶屋
大豆やブロッコリーはそれぞれ茹で、キャベツやニンジンは細かく刻んである。一つひとつの手間も相当なものだ(写真:編集部撮影)

無料にするための経営的な工夫を何かしているのかと尋ねたところ、「頑張ってうどんとそばをたくさん売ることですかね」と野元店長は笑う。

「お客さまのためを考えてお金を使えば、それは回り回っていつか自分たちに返ってくるという考え方なんですよ、会長も社長も」

実は取材に伺った当日、普段は本部にいるという社長がちょうど野尻店を訪れていたが、取材対応は野元店長に一任し、自身は作業着姿で現場に立って忙しく動き回っていた。社長という地位にありながら自らお客さんやスタッフのために動く姿は、まさに「利他の心」を体現しているように見えた。

食べた数は“自己申告”のおでん

さらに、筆者が以前から気になっていたことも尋ねてみた。おでんはセルフサービスで、会計の際に食べた数を申告して支払うシステムになっているのだ。筆者はこのシステムはそのうち変更されるだろうと思っていたが、長年このまま維持されている。わざと少なく申告したり、食べたのに言わずにおいたりする人はいないのだろうか。

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