ニセコなど一目瞭然…「外国人による日本の土地取得」一覧/海外投資家が買い叩く《日本の3つの資産》とは
さて、日本の円安が、「還流なき国内資本」と「買い叩かれる国内資産」という二重の富の流出する構造に陥りつつあることを見てきました。この「二重の富の流出」が続いた先に待っているのは、一部の経済学者が危惧する「テナント国家(自国の土地や企業といった主要な資産を海外投資家に所有され、国民が「借り手(テナント)」のような立場で労働力を提供するだけの国家)」化のリスクです。
これは、成熟した債権国が陥りやすい罠であり、「海外投資家が所有する不動産や企業の上で、安価な労働力を提供するだけの国」へと変質してしまうシナリオです。
対外純資産(ストック)が大きいこと自体は長期的には円高要因ですが、為替は短期的には金利差や投資資金の移動(フロー)で動きます。そのため、債権国であっても、資金が海外に向かう局面では円安になり得るのです。
日本がテナント国家化した場合、国内でどれだけ高い生産性を上げても、その生み出された富は、海外の資産オーナーに流出するか、国内に還流しない自国企業の海外利益になるため、国民には分配されません。
「世界から富を引き寄せる」ために
この「安いニッポン」の長期化は、日本経済が「労働で稼ぐ国」から「海外資産からの収益で稼ぐ国(成熟債権国)」へ移行する過程での歪みとも捉えられます。
ここでいう「歪み」とは、国として海外で稼ぐ力(対外資産・利益)が強まっても、その結果が国内の賃金や家計所得に戻りにくく、「企業は最高益なのに、家計は豊かさを実感できない」状態が固定化することです。国内資産の海外保有比率が高まることは、避けられない潮流かもしれません。ただ、最大の課題は、海外で生み出された富が資産を持たない一般的な労働者にまで分配されにくい構造にあります。
重要なのは、「富が海外に逃げていると嘆くこと」ではなく、「世界中の富と知恵をどう日本に使い倒させるか」という戦略への転換です。
企業が海外で稼いだ外貨を無理に円に戻すのではなく、海外の最先端技術やエネルギー権益の獲得に使い、その「果実」を日本国内に持ち込む。あるいは、海外投資家の資金で日本のインフラや観光資源を磨き上げ、そのリターンを国内雇用に還元する。「日本企業が世界で勝つこと」を古い形の国内回帰ではなく、「世界から富を引き寄せる磁石」として日本を再定義すること。この発想の転換こそが、安いニッポンを「賢いニッポン」へと進化させる鍵となるのです。
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