「もっと働きたい!」って歯ぎしりしながら寝る…… 《敏腕マンガ編集者》の"リアルな仕事観"

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PCでタイピングをする手元
敏腕漫画編集者が語る“リアルな仕事観”をお届けします(写真:kouta/PIXTA) 
人気漫画『SPY×FAMILY』や『チェンソーマン』などを手がける漫画編集者・林士平氏による、対談ポッドキャスト番組が書籍化! 時代を作り、人々を熱狂させる「ヒットメーカー10人」が本音で語る「プロの新仕事論」。目まぐるしく変化していく時代、5年後に成功を手にするにはーー? 『9人の「超個性」 プロの新仕事論』より一部抜粋・編集のうえお届けする。
【今回の対談相手】石井玄(いしい・ひかる)/玄石代表取締役。ラジオディレクター、イベントプロデューサー。2011年サウンドマン入社などを経て、2020年ニッポン放送入社。『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム』などのプロデュースを担当。2024年、株式会社玄石を設立。現在は『林士平のイナズマフラッシュ』のプロデューサー、ディレクターを務めるほか『佐藤と若林の3600』『鳥羽周作のうまいはなし』などに携わっている。

ボツ作品を大量に読んでいると、見えてくるものがある

石井:林さんが忙しい中飲み会に行って人と会っているのは、感性を保つためでもあると思うんですが、ほかに感性が老いないためにやっているのは、やっぱりいろんなコンテンツに触れることでしょうか。

『9人の「超個性」プロの新仕事論』
(写真:『9人の「超個性」 プロの新仕事論』)

:そうですね、基本はいろんな作品に触れ続けるだけだと思います。でも最近思ったのは、漫画のボツ作品を大量に読んでいることも、意外と役立っているんじゃないかなって。持ち込まれた作品を読んでボツだと思ったら、それを言語化して伝えないといけないじゃないですか。それを毎日のようにやっているので。

石井:なぜダメなのか説明することって、すごく大事ですよね。だからこそ見えてくるものもあると思います。それはいい作品をずっと読んでいてもわからないでしょうね。

:そうなんですよ。この前、持ち込みを募集したら160人くらいから応募があって、夜中にずっとその戻しをテキストに起こしていたんです。そこで、それなりのレベルにある作品について「賞も獲れそうだけど、僕が担当することはないな」と思ったときに、その理由を考えていたら、いろいろ見えてくるものがあったんです。

『9人の「超個性」プロの新仕事論』
(写真:『9人の「超個性」 プロの新仕事論』)

石井:わかります。僕もずっと優秀な放送作家さんと仕事をしてきたから、いい企画ばっかりで打ち合わせが5分で終わったりしていたんです。でも、初めて社員を採って企画を考えてもらったら、全然ダメで。そうすると、打ち合わせの時間も30分から1時間はかかるわけですよ。ただ、ダメな理由を説明する時間は、企画の良し悪しに関する感覚を養うトレーニングになるんですよね。

:先輩が老いるのが早かったのも、同じ理由なんだろうな。先輩編集の中には、スマッシュヒットを飛ばしたあとは出世するだけだと、持ち込みも取らず、イベントにも行かなくなり、作家を育てなくなった人も多かったんですよ。僕はまだ育てようとする気持ちがあるから、必然的に作家にノーと言う回数も増えるわけで、それが編集として生き残れている理由かもしれません。

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