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キャリア・教育 #還暦バックパッカー教授の世界見聞録

「現役のビジネスパーソンこそ旅をしよう!」令和のバックパッカー旅は最高の自己投資だ――キャリアを広げる旅の力

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「現役のビジネスパーソンこそ旅へ」——身軽に海外へ旅立っている筆者(写真:筆者提供)
  • 河瀬 誠 立命館大学ビジネススクール教授、MK&Associates代表
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また旅の途中で出会った人の話も面白かった。ロシアで同行したイギリスの若者は1年ほどずっと旅を続けていたり、タイの島で一緒になった白人の出自を聞いてみたら祖父祖母たちも両親も全員違う国で生まれて当人も4カ国くらいで暮らした経験があったり、上海で話した日本アニメオタクの男性が、若い頃は貧しくて自動車など見たこともなかったと話してくれたり。

いずれも日本にいては、想像もできなかったことが多かった。

エチオピアの首都アディスアベバのマルカート市場(写真:筆者撮影)

知らなかったことに触れ、価値観や生活習慣の違う人と話し、予想外の出来事に対応するうちに、「世の中にはいろいろな見方がある」「自分の持っていた“常識”は狭かった」と実感できるようになる。

つまり、旅によって自分の思考の前提を相対化し、ものの見方の枠を広げ、世界をより多くの視点から多元的に解釈できるようになるのだ。

そして、ビジネスでよりよい判断をするためには、より広い思考の枠組みが求められる。旅を通じてものの見方が広がったあなたは、自分自身の課題解決力が増していることに気づくだろう。

④変容し成長する旅

組織にはリーダーが必要だ。リーダーとは、未来が不確実ななかで、目指すビジョンを描き、メンバーと共にチャレンジを続けていく人だ。こうしたリーダーがあってこそ、組織が進化し成長を続ける。

生まれながらにしてリーダーだ、という人はいない。人はみな、自分自身を変容させ成長させた結果として、リーダーとなっていくのだ。自分を変容させることができた人のみが、組織を変えていけるのだ。

しかし会社で与えられた業務を担当するばかりでは、自分を変容させる機会はほとんどないのが現実だ。

リーダー開発の研究者たちは、人が変容し成長していくための過程を研究している。ロバート・キーガンの『成人発達理論』やオットー・シャーマーの『U理論』といった研究結果を踏まえて、筆者は以下のように変容プロセスを整理している。

1. 慣れ親しんだ安全な世界からの離脱
2. 不確実性と遭遇して、「自己の無力さ」に直面する
3. 自分は何者か、何を大切にするか、どう生きたいか、を深く「内省」する
4. 自分の世界観、優先順位、判断軸が変わり、新しい自己として社会に戻る

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【「忙しい」「休めない」と諦める人も多いが…】

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