しかし、インドのバラナシで夜の路地裏に迷い込み、すれ違う人影にドキドキしたが、親切な人に案内されて無事にホテルにたどりついた。ポルトガルのリスボンで飛び込んだ地場の食堂で、身振り手振りで注文して、初めて食べたものが予想外においしかった。
こうした他愛もないことでも、素の自分として、今までなかった体験にトライし、新しい世界に触れることが楽しいのだ。
失敗するかもしれない、という怖さもある。実際に私も、チリのサンチアゴの交通渋滞を甘くみてボリビア行きの飛行機に乗り遅れたり、モロッコのカサブランカで親しく話しかけてきた人に騙されたりして、眠れないほど後悔したこともあった。
こうした不安や失敗を含めた楽しさとは「自己成長」の楽しさだ。
自己成長の楽しさとは、スポーツでできなかったプレイを初めてできた、解けなかった問題を初めて解けた、営業活動ではじめて注文が取れた、といったときに感じる楽しさだ。
こうした楽しみを得るには、馴染みある心地よい世界(カンファタブル・ゾーン)を飛び出す、ちょっとした勇気と努力が必要だ。失敗さえも、自分の弱みを知る学びとなる。
つまり、バックパッカー旅とはちょっとの勇気で「素の自分」に還り、「自分自身の成長」を楽しむ旅なのだ。
②旅を自分の責任でマネジメントする
バックパッカー旅を推す第2の理由は、何から何まで自分の責任でマネジメントする必要があるところだ。
スマホの普及で昔にくらべてずっと便利になったとはいえ、バックパッカーは、ツアー旅行とは違って、あらゆることを自分で意思決定しなければならない。
訪問先も移動手段も宿も、無数にあるような選択肢を自分で調べて、その中からひとつを選ぶ必要がある。
旅先でも、毎日が新しい環境の中、今日行く場所を決め、そこまでの地下鉄の乗り方を調べ、どこで何を食べるかを考え、今話している相手が信頼できるかどうかさえ、その場で判断しなければならない。
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【旅から戻ったら自分の成長に気づく】
