"11年ぶり暫定予算"が暗示する圧倒的「高市推し」の陰り、越えられなかった「参院の壁」と過剰な「トランプお追従」への逆風

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こうした状況も踏まえて、高市内閣はあくまで「不測の事態」への対応だとし、高市首相も「最後まで年度内成立を追求する」(側近)との姿勢を維持している。ただ、36年ぶりの1月衆院解散によって当初予算の審議入りが約1カ月遅れた時点で、誰もが「年度内成立は困難」と考えていた。

そうした中で、高市首相が「国民生活最優先」を大義名分に「年度内成立」に猛進したのは間違いない。自民党内にも「ここで判断の柔軟さや懐の深さを見せないと、今後の政権運営に支障が出る」との指摘が相次ぐ。

参院自民党がこだわった「良識の府」の矜持

高市首相の強い指示を踏まえて、当初は参院自民党も年度内成立を目指していた。しかし、与党で過半数に4議席足りない参院で審議を強行した場合、野党が結束して抵抗すれば、強行突破は不可能だ。

もともと、衆院が「強行突破」の形で予算案を参院へ送付した段階で、参院側は与野党とも「『良識の府』の参院としては、予算案も従来と同様に慎重に審議する」という認識で一致していた。この時点で、「“高市独裁”は衆院だけ、参院は“反独裁”で連携する」(参院立憲民主党幹部)ことになった。

これを受け、野党は「参院の独立性から参院予算委員会の審議時間を60時間以上とする」ことを要求しているが、「これを実現するためには土日も審議しなければ間に合わない」(自民党幹部)のが実情だ。

加えて、野党が23日に「政府・与党が暫定予算編成を明確にしなければ審議に応じない」と牽制したことで、「高市首相も一定の譲歩をせざるをえなかった」(官邸筋)とみられる。

自民党役員会
自民党役員会に臨む高市早苗首相(中央)ら(写真:時事)

もちろん、高市首相がまだ年度内成立を諦めてはいないのも事実。木原官房長官や自民党の鈴木俊一幹事長ら政府・与党の最高幹部も「暫定予算編成は大災害など不測の事態に備えた対応」と表向き口をそろえる。

高市首相も23日の自民党役員会で、「引き続き年度内成立を目指しての尽力をお願いする」と改めて指示した。ただ、与党内には「暫定予算を組んだ段階で、年度内成立論は雲散霧消する」(自民党長老)といった厳しい見方が広がる。

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