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"しっとり"を超えた「じゅんわり」で勝負、ロッテ13年ぶり新ブランド「Theシリーズ」に込めた"ギルトフリー逆行"の仰天戦略

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  • 市川 歩美 ジャーナリスト/チョコレートジャーナリスト
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一般的にビスケットは、水分量が少なくサクッとした固い食感の菓子を指すことが多いが、その中には「半生ビスケット」というカテゴリーがある。半生ビスケット市場は拡大を続けており、ロッテは約55%という国内トップシェアを誇る。しっとり柔らかなケーキタイプで、代表格は同社の「チョコパイ」だ。

「チョコパイ」(左上)に代表される「半生ビスケット」の市場でロッテは約55%の国内シェアを握る(写真:筆者撮影)

クリームをサンドした生地をチョコレートでコーティングした「チョコパイ」は、言わずと知れた大ヒット商品で、3年連続で過去最高売上高の更新が見込まれている(2025年4月~26年2月の出荷金額速報値で前年度比107%を記録。海外売り上げ、チョコパイのアイスとチルド品を除く)。

背景には、物価上昇に伴う消費者の意識の変化が考えられる。専門店のスイーツや生ケーキが高価になる中、「そこまでお金はかけられないが、特別なお菓子は食べたい」というニーズが、この市場の成長を支えているとみられる。

「ギルトフリー」の逆を行く

もう1つ浮かび上がるのが、菓子の役割だ。近年は健康志向の高まりから「ギルトフリー(罪悪感の少ない)」の菓子が注目されているが、半生ビスケットはその流れに逆行している。いわば「ザ・ギルティ」とでも言いたくなるような濃厚さなのだ。

「多くの人が本当に望んでいる要素を狙いました」と話すのは、「Theシリーズ」の開発を担当したロッテマーケティング本部の塙克実さん。

「Theシリーズ」の開発を担当したロッテマーケティング本部の塙克実さん(写真:筆者撮影)

「当社のニーズ分析によると、半生菓子の購入者として急増しているのは30代から40代の女性で、その多くが濃厚でしっかり甘く、食べ応えのあるものを求めていました。忙しさやストレスの中で、濃厚でおいしいものを食べたいというニーズは強いのです」

ユーザーへの個別インタビューでは「ケーキや甘いものが好きだけれど、頻繁に洋菓子店のものは食べられない」「忙しいから、小分けで一口でぱっと食べられるものがいい」といった声もあったという。

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【どうやって「この味」にたどり着いた?】

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