キヨアキさんは「今回の派遣切りで懲りたので、正規の公務員の仕事を探しています。定年まで安心して働きたいんです。でも、50歳を過ぎてからの再就職活動がこんなに大変だとは思いませんでした」と途方に暮れる。
職場を追われるのは非正規雇用
非正規雇用の現場を取材していると、同じ部署で同じ仕事を続ける契約社員や派遣社員、非正規公務員のほうが、異動で入れ替わる正社員や正規公務員より業務に精通しているという状況に出くわすことは珍しくない。
非正規雇用労働者の中には「正規は仕事ができない」、正規雇用労働者の中には「非正規のせいで仕事がしづらい」という人もいる。
それぞれに言いぶんはあろうが、私はこうした「非正規VS正規」の対立の構図にさほど関心はない。問題の本質は、安易に非正規雇用労働者を増やしてきた政策や制度にあると考えるからだ。
醜悪なのは、ひとたび対立が起きれば、職場を追われ貧困を強いられるのは、たいてい不安定な立場の非正規雇用労働者であるという現実ではないか。
キヨアキさんの失業保険の給付は間もなく終わる。しかし、再就職のメドは立っていない。最後の出勤日に胸中を占めた静かな怒りは、底知れぬ不安へと変わりつつある。
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