勤続15年でも…50歳男性が遭った"派遣切り"の闇――粉々になった「会社から必要とされている」自負と最終出社日の孤立

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正社員にはあるボーナスや住宅手当といった福利厚生もなし。ストレスで心身に不調をきたした正社員には休職制度があったが、派遣社員は辞めるしかなかった。

理不尽な格差を不公平だと感じることもあったものの、不満を口にしなかったのは、会社や顧客から必要とされているという自負があったからだ。

次第に「目の上のたんこぶ」に

雲行きが怪しくなったのは、雇い止めの1年ほど前から。補償の有無や程度をめぐって、上司たちとぶつかる場面が増えた。

キヨアキさんに言わせると、制度の範囲内でできるだけ顧客の要望に沿いたい自分と、補償内容の切り下げや、あわよくばゼロにしたいと考える上司側との対立である。

キヨアキさんが「同じ事例で以前は補償していました」と指摘しても無視されたり、上司から「お前がクビにならないのは俺のおかげ」といった暴言を吐かれたりするようになった。派遣元の担当者から「(派遣先の)言うことだけ聞いてやっていればいいんです」と釘を刺されたのも、このころのことだ。

会社の方針が変わったのか、上司の人柄に問題があったのかはわからない。ただ「自分が目の上のたんこぶになりつつある」という自覚はあった。

だから雇い止めは寝耳に水であると同時に、「やっぱりか」とも思ったという。案の定、自身の後釜には別の派遣社員が配置されたと、元同僚から伝え聞いた。事実なら「業務縮小」という派遣元の説明は虚偽だったことになる。

当時の経緯をまとめたメモを基に話をするキヨアキさん。上司からは嫌がらせを受けたが、雇い止めを知った同僚たちからは「現場が回らなくなる」「誰に相談すればいいのか」と言われたという(写真:編集部撮影)※一部、編集しています

法律的なことをいえば、キヨアキさんの雇い止めは無効と判断される可能性が高い。長年にわたって契約更新を繰り返しており、実質的には期間の定めのない雇用と同じとみなされるからだ。

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