2023年、女性のお客さんから「もっと色が欲しい」という声が上がった。それならばと、トレンドカラーを含めた色展開を一気に増やした。しかし、その結果色物が売れ残ってしまった。
発言の真意をくみ取れてなかったのかもしれないと岡村さんは振り返る。お客さんが「色が欲しい」と言った背景には、「もっと女性らしいものが欲しい」という気持ちがあったのではないか。色はその気持ちを表す一番わかりやすい言葉だっただけで、本当に求められていたのは別のことだったのかもしれない。
2024年、色をベーシックに戻し、代わりにシルエットで女性らしさを表現する方向に切り替えた。肩幅を落として少しゆるくしたり、サイドのスリットの長さを調整したり。地方のトライアルのメインの顧客層である40~50代の女性がシルエットを拾う服を避けがちだという実態を踏まえ、お尻やおなか周りが目立たないデザインを意識した。すると結果、売り上げは伸びた。
2025年、今度はトレンドに合わせてパンツをワイドにした。若い層には受けたが、もともとの主要顧客である50~60代の女性が離れてしまった。
「ちょっとやりすぎちゃったかなと。2026年はパンツの幅をワイドすぎず、でも細すぎないほどよい加減に調整する予定です」(岡村さん)
素材感の微調整も毎年続けている。柔らかいほうがいいのか、もう少しハリがあるほうがいいのか。トレンドとお客さんの実際の好みの間で毎年毎シーズン、答えを探り続けている。
この試行錯誤の過程で、ひとつ貫いているルールがある。
「アップデートは基本的に足していくもの。1回良くしたものはできるだけ下げない。それがポイントです」(藤木さん)
良くなった部分は削らない。物価高でコストが上がっても、お客さんにとって必要な改良であれば維持する。削るのではなく、他の工程で吸収する。
とはいえ物価高などコスト自体は上がっており、吸収しきれない部分も出てくる。その場合は、お客さんにとってなくさないほうがいいものであれば「削ることより価格に反映させること」を選ぶ。その上で、買いやすい値段を維持する。その積み重ねが、毎年少しずつ進化するスウェットを支えている。
「この品質でこの値段なの?」を実現する
ふんわりタッチスウェット998円、エアリーストレッチスウェットは1490円、裏起毛スウェット上下セットは907円。他社と比べても、明らかにトライアルのスウェットは安い。この価格はどうやって実現しているのか。





















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