社会的地位あっても不正に手を染めてしまう…「ホワイトカラー犯罪」なぜ起こる?4つの抜本的対策
しかし、収入や生活環境に問題がなく、組織において社会的地位を有する人物が犯罪に手を染めるケースがあるという事実は、それまでの犯罪学の常識を覆すものであった。
組織と人が存在する限り発生する「内部不正」
この問題に最初に学術的な光を当てたのが、社会学者のエドウィン・サザーランドである。サザーランドは1939年に「ホワイトカラー犯罪」という概念を提唱し、「尊敬され、高い社会的地位にある人が職務の過程で犯す犯罪」と定義した。
その後、53年に犯罪学者のドナルド・クレッシーが、社会的に信頼されている人物がなぜ横領に手を染めるのかという問いに取り組んだ。
実際の横領犯への詳細なインタビューを基にした研究成果を「Other People's Money:A Study of the Social Psychology in Embezzlement」として出版し、現代の内部不正研究の礎を築いた。
クレッシーはこの研究の中で、不正行為は「動機(プレッシャー)」「機会」「正当化」の3つの要素がそろったときに発生するという理論的枠組みを導き出した。
このように「内部不正」とは、IT環境が整いコンピュータウィルスが登場するずっと以前から、「人」が存在する組織において起こり得る犯罪として、70年以上にわたり研究が続けられてきたテーマである。
それにもかかわらず、現代では「セキュリティ」と言えば外部脅威を優先して対策を検討し、「内部不正」については社員への信頼を前提に対策予算を十分に取らない企業も少なくない。
経営層は「内部不正」を「人が存在する限り発生するインシデント」だと捉えて、ITシステム部門や法務・人事部門と連携し、自社の現在の管理レベルが「裁判所の求める客観的基準(秘密管理性)」を満たしているか、監査を実施することを推奨する。
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