WBC日本敗退でネトフリ解約の声もあったが…。全47試合を視聴してわかったテレビの野球中継に決定的に欠けているもの

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「好ゲームには余計な言葉はいらない」

準々決勝以降は、プールCを担当した日本テレビのアナウンサーを中心とする中継陣がアメリカに渡り、現地から放送した。しかし、日本戦の中継は結局1試合だけで、しかも「敗戦」に終わった。その後の準決勝2試合、そして決勝も、日本が出ていないにもかかわらず、日本向けの実況・解説付きで配信された。準決勝はアメリカ2対1ドミニカ共和国、ベネズエラ4対2イタリア。決勝はベネズエラ3対2アメリカ。3試合とも1点を争う好ゲームだったが、改めて思ったのは、「好ゲームには余計な言葉はいらない」ということである。目の前の試合を、できるだけそのまま伝えれば、それだけで素晴らしい中継になるのだ。

日本テレビのアナウンサーも、「がんばれ日本」という前のめりの気持ちがなくなったぶん、肩の力が抜けて聞きやすくなっていたように思う。

今回のNetflixのWBC中継は、「野球の試合は面白い」という当たり前のことを、あらためて実感させてくれた。「野球の試合」という一級の素材に加える「調味料」は、素材の味を損なわない最低限のものでいい。

入場ゲートでは金属探知機でチェックされる。これもMLB流(写真:筆者撮影)

今回の配信によって、これまで地上波ではあまり知られてこなかったJ SPORTSなどで活躍する優れたアナウンサーや解説者の存在が、世間に広く認知されたとすれば、それはとても幸せなことだと思う。

今回の配信は、契約者であればNetflixのメニューからアーカイブでも視聴できる。地上波の「見逃し配信」とは違う形で、好きなときに振り返って見られるのはやはり楽しい。また、ライブ配信にはCMが入ったが、「あと何秒」という表示が出たのは親切だった。

また、4月中旬には、侍ジャパンに密着した記録映画『戦いの向こう 侍たちの記録 2026 WORLD BASEBALL CLASSIC』の配信も予定されている。ほろ苦い結末となった侍ジャパンを、今度はどのような作品として見せるのだろうか。ティーザー予告も公開されている。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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