映像が鮮明になったのは技術の進歩もあるだろうが、視聴者により魅力的な映像を届けるための工夫が随所に盛り込まれていた。
日本テレビが担当した東京ラウンドでは、これに加えて「ボリュメトリックビデオ」「ダート・カメラ」「インドアドローン」なども投入された。ボリュメトリックビデオでは、試合中の決定的な場面をさまざまな角度から立体的に見せることができる。バッターやピッチャーの背後など、通常の中継では見られない位置からプレーを振り返ることができた。ダート・カメラはホームベース周辺に設置され、選手の足元やプレーの迫力を低い視点から映し出した。インドアドローンは、選手が整列した場面や歓喜に沸く球場の空気を俯瞰でとらえていた。
こうした技術は、試合中にあまりしつこく見せると視聴者の注意が散漫になる。ベストのタイミングで少しだけ見せるのが理想だが、今回のスイッチング技術はかなり洗練されていたように思う。
ただ、もう一つの目玉だった、投球や打球を瞬時にデータで示す「スタットキャスト」は、ホームランが出たときなどに打球速度、打球角度、飛距離を表示する程度で、活用は限定的だった。詳細な説明もあまりなかった。わずか2週間足らずのWBCで、あれもこれも盛り込むのは難しかったとは思うが、この新機軸はもっと前面に出してもよかったのではないかと思う。
2系統に分かれた試合中継
さて、WBCの試合中継は、大きく2系統に分かれていた。
一つは、プールC(東京ラウンド)の日本戦4試合を含む10試合である。こちらは現地・東京ドームの放送ブースから中継された。日本テレビのアナウンサーが実況を担当し、これに解説者が1〜2人つく。全体としては、従来の「日本テレビの野球中継」をほぼそのまま踏襲したスタイルだった。





















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