2027年は「士業大淘汰」の年になる? それでも現役税理士が「AIのおかげで"本来の仕事"に戻れる」と語るワケ
――「まだ難しい」というより、UIの問題だということですね。
そうです。今はなんとなくITの知識がないとできないと思われていますが、やればできます。freeeの公式が提供しているMCPサーバーにつなぐだけで、そんなに難しいことではない。今後はもっと簡単になるでしょう。
フォルダに資料を入れてボタンを押したら、わからないところだけ質問が来て、最後に申告書が出てくる。GPT 3.5が出たときから、そうなるだろうなとは思っていました。
――実際に「freee-mcpで確定申告が簡単になった」という声も、今年の確定申告シーズンに広まりましたね。
作業時間が8時間から30分になったという報告もありましたし、「UIで操作するよりMCP経由のほうが体験がいい」という声も出てきています。税理士・会計士の側でも、月次決算のチェックをMCPで自動化し始めている人がいる。まだ一般的ではないですが、技術としてはすでにそこまで来ているのは事実です。
個人の確定申告はほぼAIができる段階に来ています。個人ができるなら中小企業もできる、中小企業ができるならエンタープライズもできる。
違いは扱うデータの量と複雑さだけで、モデルの性能が向上すれば技術的な壁は順次突破される。構造的には同じなんです。私は2027年にはホワイトカラーの仕事の大半が変わると思っていて、その見立ては今も変わっていません。
「月1件こなせれば十分」から「5件並行」へ
――申告書はUIの壁が残るとしても、すでに圧倒的に効いている業務はありますか。
デューデリジェンス(DD、適正評価手続き)です。M&Aの際に買収対象企業の財務状況や事業リスクを詳細調査する業務ですが、これが税務相談よりもよっぽど得意ですね。税務というのは日本という島国固有のローカルなルールですが、DDは全世界で行われている。むしろアメリカのほうが進んでいるくらいで、AIが学んできたデータ量が違います。
実際、うちでは総勘定元帳を3年分丸々渡して全件チェックさせています。ボタンを押して2時間放っておくと、リスクが重要度別に整理されて上がってくる。それに対して質問して、追加資料を渡して、またクリックする。最後はパワーポイントのレポートまで出てくるようにしています。
普通、財務DDは公認会計士や税理士でも月1件こなせれば十分というくらい大変な業務ですが、今うちでは30代のスタッフが5件並行して担当しています。
私自身がAIのアウトプットをレビューしてサインするとき、正直「勉強になるな」としか思わないですね。人間は全件を見ることができないし、どうしても自分の経験のクセが出る。AIにはそれがない。





















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