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2027年は「士業大淘汰」の年になる? それでも現役税理士が「AIのおかげで"本来の仕事"に戻れる」と語るワケ

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  • 斎藤 健二 金融・Fintechジャーナリスト
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――では今、現場の税理士のAI活用状況はどうなっていますか。

去年、いくつかの税理士会でお聞きしたんですが、アカウントを持っている先生が大体半分。有料課金しているのがさらにその半分。使いこなしている方となると、さらにその1割くらいですかね。全体の数%になってしまうんです。

士業全体として、新しいテクノロジーの取り入れは遅い傾向があります。ただ、税理士はITが苦手というわけではなくて、毎日会計ソフトを開いて、OCR(光学文字認識)で読み取りもやっている。

生成AIに限って遅れた理由は、最初のGPT 3.5の印象が頭に残っているからだと思います。「ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)がある、間違えるから使えない」という認識から、なかなか抜け出せていない。

あと、業界の年齢層も影響しているかもしれません。40代が若手と言われる業界なので。

税理士業界が直面する「ゆでガエル」の現状

――ちなみに大野さんは、AIで儲かっていますか。

儲かってますよ(笑)。自分で考えなくても、高品質なものを高速にアウトプットしてくれる。知識量も処理速度も自分より全然上の存在がそこにいる。

ただ、多くの先生がまだ使いこなせていないので、そのギャップで動けている状態です。もっとも、そのギャップがあと何年続くかというと、1年くらいかなとは思っていますが。

――現場で困っている声はどんなものがありますか。

今、税理士が一番困っているのが、顧客から「ChatGPTに聞いたんですけど、これで合ってますか」と言われるケースです。どんな聞き方をしたのか、どう答えが返ってきたのか、わからない状態で確認を求められる。税理士側がAIをうまく使えていないのに、顧客のほうが先に使い始めているわけです。

ゆでガエルという表現がありますが、知識業務としての価値がすでに失われているのに、それに気づいていない、という方もいるかもしれませんね。

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【税務以外でもAIの影響がじわり】

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