"1回75秒"の狩猟/カプコンとNianticが語った『モンハンNow』の勝機、既存ファンを裏切らずに新規層つかんだゲーム設計

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企画が持ち込まれた2018年ごろ、カプコン社内でも同様に「モンハン」シリーズでの実現可能性を探っていたという。

「位置情報を使ったアプリゲームにはわれわれもすごく関心があった。国内でヒットしている作品もあったので、開発ノウハウも含めてモンハンでの実現可能性を探っていた。ナイアンティック社と組めれば、と思っていたところに舞い込んできた話で、自分のなかではもう『やろう』と決めていた」(「モンスターハンター」シリーズプロデューサー・辻本良三氏)

互いに位置情報ゲームとシリーズの相性に着目していたところから、足かけ4年の開発期間を経てローンチへとこぎつける。

ヘビー・ライトどちらのユーザー層にも届く作品に

発売当初から若年層の間で大流行したモンハン。友人同士で集まってのプレイでも盛り上がれる作品として人気を博してきた。今回のスマートフォンでの実装にあたっては、アクションゲームの醍醐味である細かな操作や、瞬間的な判断による戦略構築の実現に苦労した点もあった。

「モンハンをはじめアクションゲームは、コントローラーのボタンに多種多様な動作が割り振られ、そのコマンド入力によって狩猟の緊張感や爽快感を楽しむのが一般的。でも、スマートフォンでこれらの操作を実現するのは難しく、モンハンNowから参入してくる新規ユーザーにとっても障壁になる。ライト層がストレスなくプレイできるよう、『攻撃』と『回避』に特化し、それぞれタップとスワイプで完結できる構成にした」(辻本氏)

とはいえ、ライトユーザーへの配慮だけでなく、これまでシリーズを追いかけてきたディープなファンの期待にも応えられる出来にする必要があった。

「簡単に操作できるだけではなく、限られたインターフェースでも『モンハンのアクション体験をしっかり楽しめるものにしたい』という思いは強かった。操作性はシンプルでも、回避のタイミングや攻撃時の動き方にバリエーションをつけたりして、より戦略的に楽しみたい人の期待にも応えるクオリティにできたと思う」(カプコン 『モンスターハンターNow』プロデューサー・砂野元気氏)

「ついつい欲張って『あれも入れたい』『これもやりたい』という気持ちからどんどん複雑化してしまうこともある。でも『モンハンNow』では、スマートフォンで遊べること、アクション性を大切にすること、とあらかじめ“楽しんでほしいポイント”を絞り込んで開発できたのが大きかった」(辻本氏)

マップ
マップ上にモンスターのアイコンが現れ、タップすると討伐(戦闘)がスタートする(画像:筆者撮影)

外出先からスマートフォンで楽しむという性質上、1回の狩猟にかかる時間も原則最大75秒と、他シリーズ作品と比べ大幅に短縮され、スキマ時間で楽しめる構成だ。それがかえって「腰を据えてゲームをする時間がとれない層」にも受け入れられたのだろう。

シンプルな操作で大型モンスターを討伐し、爽快感を得る。ライトに楽しむならそれで充分だし、じっくり極めたいユーザーへの施策も充実しつつある。

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