"1回75秒"の狩猟/カプコンとNianticが語った『モンハンNow』の勝機、既存ファンを裏切らずに新規層つかんだゲーム設計

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「より強くなろうと思えば、装備の強化や素材集めの必要が出てくる。プレイヤー自身の操作も洗練されていくし、『より強く』と戦略性をもってプレイもできる。実は、毎日プレイしているユーザーも多いというデータが出ていて、これは他のゲームと比較しても特徴的だった」(ナイアンティック 『モンスターハンターNow』エグゼクティブプロデューサー・大隅栄氏)

ライゼクス討伐
(画像:筆者撮影)

「リアルで誰かと一緒に遊ぶ」モンハンの楽しさの原点へ

地図を持って冒険に出かけ、狩猟や採集にいそしむ。ナイアンティック社が得意とする位置情報ゲームとモンスターハンターの親和性は非常に高かった。結果として、現実世界に点在するスポットをめぐりモンスターを狩るゲーム体験を可能にした形だ。

「位置情報ゲームには、リアルワールドでのゲーム体験に加えて、リアルワールド“ソーシャル”の体験が可能になる力がある。私自身も元々モンスターハンターのファンであり、同時にナイアンティック社が出してきたゲームのファンでもあった。ヒット作が出れば、同じ場所で同じゲームをプレイしている人同士が出会うことがある。あるいは、任意の場所に集まってプレイするシーンもある。そこには、オンラインプレイだけでは得られないリアルな体験が詰まっていた」(大隅氏)

オンラインゲームが普及したことで、友人同士で実際に集まってゲームに興じる機会は減ったという人も少なからずいるだろう。位置情報ゲームもその一つで、近くにいる、あるいは遠く離れた誰かとともに楽しめるものだが、モンハンNowはあえてもう一度、誰かと一緒に遊ぶという楽しみ方も提示しようとしている。2024年には渋谷でモンハンNowのリアルイベントを開催するなど、オンラインからリアルの場へと戻ってきた。

モンスターハンターNow
「モンスターハンターNowカーニバル2024:渋谷」での様子(画像:公式Youtubeより)

「例えば、家の近くを散歩するだけでも楽しい。けれどゲームをプレイすることで、一本違う道を通ってみたり、少し遠くまで歩こうと思えたりと、世界の楽しみ方が拡張していく。モンハンNowでは近くの人とマッチングして一緒に狩りができるが、ゆるやかにつながる共闘関係も面白い。誰かの存在を感じながらプレイする面白さはもっと広めたいし、渋谷以外でも続けたい」(河合氏)

「歩く距離が長くなったという声も聞く。夏休みは子どもと一緒に毎朝早起きして狩りに出かけたという声もあって、普段は行く機会がないところを歩く体験になるだろうし、親子の時間にも寄与できているのかな、と」(大隅氏)

「モンハン自体、人が人を誘って広まっていったゲームということもあり、集まる“場”やコミュニティ形成を重視するIP。だからこそ、モンハンNowはリアルの場で人を集めることを意識したし、『最近はゲームをしていない』という人のカムバックにもつながればと思う」(辻本氏)

「武器種やモンスターについてもユーザーから要望をいただく。3月からは、『モンスターハンター4』(2013年発売)で新規実装された武器種「操虫棍」が『モンハンNow』にも登場している。こうした過去作品からの再登場は今後も続けたいと思っていて、過去作のユーザーが久々にプレイするきっかけになればうれしい」(砂野氏)

アップデートを繰り返し、ディープなファンを大切に考えながらも、見事にライト層や新規ユーザーを取り込んだモンハンNow。プロデューサーたちの試行錯誤が詰まった本作品がどう展開されていくのか、今後も楽しみだ。

藤堂 真衣 フリーライター

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とうどうまい / Mai TODO

大阪出身、1986年生まれ。大学を卒業後、フリーター期間を経て2011年より制作プロダクションのライターとして活動を開始。大学受験や結婚情報誌のライティング・ディレクションに携わる。2016年、結婚を機に上京し、フリーライターとしてビジネス系からエンタメ、カルチャー、ライフスタイル系まで、インタビューを中心に幅広く活動中。幼少時からのアニメ・漫画オタク。好きなものは間取り図と廃墟。
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