「もう1つの戦争」パキスタンとアフガニスタンの軍事衝突が中東・南アジアにもたらす意味、高まる中国の存在感
今回の軍事衝突でも、インドはアフガニスタンを支持する姿勢を示している。インドのジャイスワル外務報道官が2月22日、メディアからの質問に答える形でパキスタンの攻撃を「強く非難」し、「またしても国内の失政を外に広げようとする試みだ」と指摘するとともに、「インドはアフガニスタンの主権と領土の一体性、独立に対する支持をあらためて表明する」としたのはその現れだ。
3月17日には、前日に起きたパキスタン軍によるカブールの病院攻撃を「野蛮」「卑劣な侵略行為」「アフガニスタンの領土に対する露骨な攻撃」などと厳しく批判する声明を発出してもいる。
中国の存在感が高まる
この戦争は今後、どのような道筋を辿るのだろうか。25年10月に戦闘が起きたときは、カタールとサウジアラビアが仲介に入り、停戦やパキスタン軍捕虜の解放が実現した。今回も両国が仲介に意欲を示していたものの、直後に発生したイラン情勢の急変のためか、それ以降は目立った進展がないのが現状だ。
サウジアラビアは25年9月にパキスタンとの間で「戦略的相互防衛協定(SMDA)」を結んでいるが、今回の事態でそれを発動するには至っていない。インドは現状パキスタンに厳しい姿勢で臨み、アフガニスタンを支持している以上、中立的な立場で仲介を担うことは難しい。
この戦争とイラン情勢の関連についても触れておきたい。戦闘が始まった時期こそ近接しているものの、2つの戦争に直接のつながりはないように見える。実はイランも25年10月のパキスタン・アフガニスタン軍事衝突の際に両国に仲介をオファーし、今回も同様の姿勢を示していた。
しかし、その直後に自国がアメリカとイスラエルの標的となったので、それどころではなくなってしまった。有効な仲介の試みがなければ停戦に向けた糸口が見えないままに戦闘が長期化し、2つの戦争によって中東から南アジア西部に至る地域の混迷が深まることになりかねない。
こうした中で活発な動きを見せているのが中国である。王毅外相が3月10日にパキスタンのイスハーク・ダール副首相兼外相と、13日にはアフガニスタンのムッタキ外相代行と相次いで電話会談を行った。3月7日から14日にかけて、岳暁勇・外務省アフガニスタン問題担当特使がアフガニスタン・パキスタンを訪問し、政府要路との会談で即時停戦や対話を通じた問題解決を呼びかけた。
これが実際に早期の停戦に至るかどうかは定かではない。しかし、こうした取り組みからは、以前から密接な関係を構築してきたパキスタンだけでなく、アフガニスタンに対しても中国が影響力を強めていることが見て取れる。
(本稿は執筆者の個人的見解であり、
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