即戦力育成か、人間力の涵養か? ニデック永守氏が京都先端科学大学で問われる「長期の実学」と新たな「良心」
その通信簿は時価総額だった。高校生のときに株式投資を始めたことからもわかるように、株主重視経営が叫ばれる前から、市場を意識した経営を行っていた。このたびの会計不正の一件は、その裏の顔が出てしまった感じだ。
ただし、「叱りの達人」たちは、「人たらし」と言われるほど、配慮する力に長けていた。永守氏も気遣いを心がけていた。
筆者は永守氏に手紙を送ったことが何回かある。そうすると、丁寧に返信が届いた。手書きであった。年賀状でもすべてではないだろうが、「自筆で一言入れるようにしている」と話していた。
慶弔に関する気配りも大切にしている。「とくに人は弔事にもらった哀悼の意をよく覚えているものだ」とやや打算的な表現にも聞こえたが、人間関係にはまめに対応する努力はしていたようだ。
合理的であろうとして迎えた「最も非合理な結末」
だが、今回、メディアで報道されている内容を見れば、人心を踏みにじる悪魔のごとく描かれている。やはり、会計不正という禁じ手に手を出してしまったからだろう。
永守氏は合理的であろうとして、結果的に最も非合理な結末を迎えようとしている。人生最大の計算違いをしてしまったのではないか。
ニデックを完全退任したとはいえ、所有比率8.29%(2025年9月時点)の大株主なので、今後、同社とどう関わっていくかわからない。ニデックに居場所がなくなったとしても、京都先端科学大学という舞台を用意している。81歳の永守氏は、ホームグラウンドをここに移し、どのような作戦で観客(学生)を呼び込むのだろうか。
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