即戦力育成か、人間力の涵養か? ニデック永守氏が京都先端科学大学で問われる「長期の実学」と新たな「良心」

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つまり、「叱りの達人」は聞いている人がいて成り立っていた。永守氏にインタビューしたとき、「理想的な上下関係とはどういうものですか」と質問すると、「親分子分の関係だ」と断言した。まさに、永守氏は親分であろうとした。

永守氏は子どもの頃のことをよく覚えている。親分の才能は、幼少の頃から芽生えていたようだ。次のエピソードがそれを物語っている。

ケンカが強かった永守氏は、つねにガキ大将の地位にいた。ところが、だんだん言うことを聞かない友達が出てきた。そこで、せんべいをやると途端に言うことを聞くようになった。このとき、「人は禄がないと動かない」ということを知ったという。

豊臣秀吉的であった永守氏の人生

私がビジネス誌の編集部から神戸大学大学院経営学研究科に転職する際、ある会合で出会った永守氏に転身の旨を伝えたところ、開口一番こう言った。

「大学の先生か。給料安いやろ」

そこそこいい収入を得ているのに、なぜ、好んで大学の先生になるのかといった感じだった。その人が大学をつくったのだから、既存の大学とはまったく違う大学にしたがっているのだろう。

永守氏の人生を見ていると、良い意味でも悪い意味でも豊臣秀吉的である。一代で人生を大きく変えている。

それは、単に金儲けだけが目的ではなく、急速に大きく変わる自分、その姿を鏡のごとく映し出してくれる日本電産(現ニデック)の成長を見ることを楽しんでいたようだ。経営面では、それがM&Aによる急速な業容拡大という形になったと考えられる。

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