アップル「格安iPhone・Mac」に世界が驚愕 物価高でも10万円切り、超お得モデル投入の理由
こうした影響を正面から受けていたら、iPhone 17eは約2万〜3万円ほど高くなってもおかしくなかったはずだ。
にもかかわらず同社はメモリー容量倍増と販売価格維持を同時にやってのけた。
いったい、どうやったらそんなことが可能なのだろうか。その秘密の一端は、同社の財務開示資料から読み取ることができる。
アップルの年次報告書(Form 10-K)や四半期報告書(Form 10-Q)には、製造自体は外部に委託しながらも、サプライヤーと長期契約を結び、将来の部材をあらかじめ大量に確保している実態が記されている。
財務用語では「Purchase Obligations(購買債務)」と呼ばれるこの仕組みは、要するに「数年分を先に約束して押さえておく」やり方だ。「必要になったらその都度買う」のではなく、将来の調達量と価格をあらかじめ固定してしまう。
また「Vendor non-trade receivables」といった項目からは、部材の調達や在庫の管理をアップル自身が主導している構造、さらに「Derivative Instruments and Hedging(デリバティブ取引とヘッジ)」では、為替の変動によるコスト増を防ぐために、あらかじめ為替レートを固定する金融手法を使っていることが開示されている。
こんなやり方が可能なのは、iPhoneビジネスの圧倒的なスケールのおかげだ。iPhoneは年間でおよそ2億台前後が出荷される。これは単一製品としては世界最大級であり、サプライヤーから見れば「この会社に供給できるかどうか」が事業の成否を左右するレベルだ。そのためアップルは、メモリーのように価格が乱高下する部材であっても、「この価格でこの量を確保する」という交渉ができる立場にある。
自社設計シリコンの存在も無視できない。主プロセッサーのA19や、自社設計のモデムチップC1Xといったコンポーネントは、単に性能や電力効率を高めるだけでなく、これまでQualcommなど外部サプライヤーに依存してきた領域を内製化することで、部材調達や市場動向の影響を相対的に受けにくくする側面もある。
それに加え、おそらく発注数量を集中させて単価を下げたり、仕様を整理して部材の無駄を削る、設計や他部品でコスト増を吸収する、といった複数の小さな工夫の組み合わせも効いている。
多くの企業にとってものづくりとは製品仕様を作って、それに合わせて部材を調達し組み上げることだが、垂直統合でチップからOSまで作るアップルは、そこからさらに一歩引いた視点から、現時点における製品としての最適解を考えている。
必要に応じて使う部品や製品のベースラインとする仕様、設計方法まで見直すことができるのが他社には真似できない大きな強みとなっており、これからじわじわと他の欧米圏のパソコンメーカー、スマートフォンメーカーに対してのアドバンテージとして効いてきそうだ。
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低価格で提供するからには、製品のベースライン仕様の見直しは必要だが、それを決して妥協と感じさせないように、製品の使い勝手を基準に仕様をバランスさせる巧みさもアップルの強みだ。





















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