アップル「格安iPhone・Mac」に世界が驚愕 物価高でも10万円切り、超お得モデル投入の理由
筆者はアップルの新製品発表の後、しばしばアップルの重役をインタビューしたり話す機会を与えられるが、コロナ禍の少し前から彼らがよく「ニューライフ」という言葉を口にするようになった。
最初は何のことだろうと思っていたのだが、よく聞けば日本語で言う「春の新生活応援キャンペーン」のことだ。
日本では新入学や新卒入社、転職などのほとんどがこの時期に一斉に行われており、それに合わせて引っ越ししたり、家電を買ったりといったことが行われる――日本法人の広報部門らが長い時間をかけて、その重要性を訴えてきたものが、コロナ禍直前くらいから急に経営陣の間で浸透し始めたようだ。
アップルの新製品発表というと、6月に次世代OSなどの発表があり、そのOSを搭載した新製品が9月に一斉に発表されるというのが、これまでの慣習であり、3月は新製品発表がある時もあれば、ない時も多いそんな月だった(2年に1回程度の頻度でiMacやMacBook Airを発表していた)。
しかし、22年の3月にiPhone SEを発表してからはこれが変わる。23年にはiPhone 14のカラーバリエーションとして黄色のモデルが登場、24年にはMacBook Air、25年にはMacBook AirとiPad Air。そして今年はMacBook Neo、MacBook Air、iPad Air、iPhone 17e(さらにディスプレイやMacBook Proも)が発表された。
「GIGAスクール」で学校に大量導入してもらうための製品(無印と呼ばれる標準仕様の)iPadは、3月に発表したのでは学校側の購入判断に間に合わない。そのため、もう少し学校側の都合に合わせた時期の発表にずれ始めている。
では、「ニューライフ」戦略のかなめである3月はどういう月かというと。新入学や新天地での仕事が決まった学生やビジネスマンが、自分磨きのためにスマートフォンやパソコンを新調するタイミングといえよう。
アップルはこの時期の日本に10万円を切る価格の製品を出すことがいかに重要かをよく理解している。iPhone 17e、MacBook Neo共にアメリカでの599ドルという価格設定も戦略的だが、それと同じくらい戦略的に日本国内価格を10万円未満を目標に今回の製品を開発している。
これは現在の世界情勢を考えると実はかなり難しいチャレンジだった――むしろ、今、これができるのはアップルくらいで、それを形にしてしまった今、アップルにとって大きなアドバンテージになる可能性がある。
2つの逆風の中10万円未満を実現
今回の新製品で筆者が特に驚いたのがiPhone 17eで、同製品では前モデルから「価格据え置き」にし、その上で最低のメモリー容量を倍増させている。
経済ニュースに明るい人なら分かる通り、現在、アメリカのメーカーであるアップルには2つの逆風が吹いている。前モデルのiPhone 16eを発表した25年2月よりも円安が進行している。
しかし、それ以上に大きな逆風は世界的なメモリー不足だ。近年、生成AIの爆発的な普及により、高性能メモリーから始まった需要急増はDRAMやNANDといった一般的なメモリー市場にも波及。23年から25年にかけて、NANDフラッシュの価格は底値から数十パーセント規模で上昇。
単純にSDカードのフラッシュメモリーの底値価格を比較しても昨年は256GBの製品は2500円前後で購入できたが、今年は7000円弱と倍以上の価格になっている。iPhoneに搭載する品質の高いメモリーとなると、この程度の価格差では済まないことだろう(それ以前に、そもそも購入することができない)。





















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