私は、中教審や参議院での参考人陳述の際に、教員勤務実態調査は何年か一度は続けるべきだ、と述べてきた。
ところが、文科省は、昨年の給特法改正の国会審議の際にも繰り返し、勤務実態調査はしない、教育委員会が収集しているタイムカードなどのデータ集計で十分である旨を答弁してきた。エビデンスベース以前に、正確な事実確認すら怪しいのが国の仕事なのか?
◎筆者が国会での参考人陳述で述べた内容
働きがいと働きやすさはともに高まっているか?
もう1つ、今回の調査で見えてこないものは、「教職員の声」だ。教職員向け調査ではないので限界はあるのだが、働き方改革の一番の当事者である教職員(ここでは校長、教頭等を含む)は、どう感じているだろうか。
残業時間が一見減ったように見えても、同僚と雑談することすらはばかられるくらい、余裕のない職員室。「早く帰りましょう」とばかり言われるが、欠員状態(教員不足)で、子どもたちに不利益があってはいけないと、必死にカバーしている学校現場も多い。
「#教師のバトン」が炎上したように、自由記入などで意見募集すると、また大変な数の声が寄せられる可能性はあるが、文科省・教育委員会が聴く価値はあると思う。
文科省・中教審も「働きがい」と「働きやすさ」の両方を高めることが重要と言ってきた。だが、一連の調査で測定されているのは、残業時間と有給休暇の取得状況をはじめとする、主には「働きやすさ」の一部に過ぎない。
「働きやすさ」という観点でもまだ不十分な実態把握だとは思うが、「働きがい」や心身の健康状態、教職員の研修・学びの充実などについては、ほとんど「見える化」されていない。そして、前述のとおり、わかりやすい数字である残業時間が長いかどうかだけが評価され、教育委員会も教職員も苦しめていく。
実際には、ストレスチェックによると、高ストレス者は近年増加傾向にある(公立学校共済組合「ストレスチェックデータ分析結果報告書」)し、精神疾患による休職者・離職者も減らない。これでは、いくら残業が減っても、ウェルビーイングとは言い難い。
今後の必要な対策としては、わかりきっている。すでに指摘した問題に手を付ける以外にはない。その進捗状況こそ、文科省、教育委員会は「見える化」していくべきだ。
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