元・為替市場課長が解説「ドル円相場の基本のキ」 過去から学ぼう 為替は"経済の深い流れ"に沿い従う

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では、経常収支黒字や海外投資増の為替への影響を見てみましょう。

「海外投資からのリターン」は、通常は事業を行っている現地の通貨で得られるので、円に戻す分が円高要因になります。他方、海外への投資は、円を外貨に替える分が円安要因です。この2つのフローのせめぎ合いで為替レートが動きます。

これらのうち、海外への投資の額を動かす要因は何でしょう?

証券投資に関しては、金利差が為替に大きな影響を与えると言われています。例えばドル円レートで言うと、米国の金利が日本の金利よりずっと高ければ、米国の債券を買って運用すればより大きな利息収入が得られます。

そうした投資家が増えればドル高になり、円をドルに替えておけば為替差益も得られる。そうした金利差の動きを参照しつつ為替トレーダーも取引を行うので、日米金利差とドル円レートの間には一定の相関関係が見られてきました。

3.最近生じている「乖離」

しかし最近、「金利差相場」に顕著な変化が見られます。下のグラフを見てください。

為替
(画像:かんき出版提供)

2021年以降、日米金利差拡大に連れてドル高円安に振れ、金利差と為替の密な相関関係が続きました。しかし、2025年夏以降、金利差は顕著に縮小し始めた一方、ドル円レートは円安に振れ、この結果、日米金利差とドル円レートの動きに大きな乖離が生じました。この2つがこれほど逆方向に動くというのは、近年全く無かったことです。

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