元・為替市場課長が解説「ドル円相場の基本のキ」 過去から学ぼう 為替は"経済の深い流れ"に沿い従う

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縮小

大きな流れとして、最近の金利ベクトルは、日本が利上げ方向、米国は利下げ方向で、日米金利差は縮小しつつあります。日本と米国の物価はほぼ同水準と言って良く、「日本のデフレは構造的」と言われることも無くなりました。

このように、日米金利差の縮小等は「構造的変化」が具現化したものと言えると思われます。日米金利差拡大が円安のドライバーになっていたのであれば、金利差縮小はそれを反転させるはずです。しかし、為替相場には金利差縮小に連れた円高の動きは見せず、むしろ逆に動いています。これは何を意味するのでしょう?

「資金逃避」による外国への証券投資が増えている? いえ、過去数年間で対外証券投資(ネット)は増えておらず、最近もマイナス(買いより売りが多い)の月があります。そして経常収支は安定的にプラスで増加傾向で、むしろ円高要因です。

4.認識すべきリスク

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こうした様々なデータを見ると、最近の「乖離」の背景には、「金利差や国際収支フローなどの深く大きな流れでは説明が困難な思惑的な動き」があると推測するのが自然ではないでしょうか。

ここで1.に述べた記述に戻ります。「為替は深い経済の流れに沿って動く」「為替は上がる時もあれば、下がる時もある」ということが時を超えて真実であるとするならば、今後は円安の「調整リスク」に目を配るべきだと思われます。調整がいつ起こるかは分かりません。しかしそのリスクは認識しておいた方が良いと思います。

大矢 俊雄 DeNAチーフエコノミスト

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おおや としお / Toshio Oya

DeNAチーフエコノミスト。元財務省審議官、元国際協力銀行常務取締役、元内閣官房内閣審議官。1986年大蔵省(現・財務省)入省。コロンビア大学ロースクール留学、IMF審議役、世界銀行理事代理、財務省主計局国土交通・環境係担当主計官、国際局為替市場課長、金融庁国際担当参事官、アジア開発銀行(在マニラ)人事・予算担当局長、財務省大臣官房審議官(国際局担当)、国際協力銀行常務取締役、内閣官房内閣審議官兼海外ビジネス投資支援室長などを歴任。現在はDeNAチーフエコノミストを務める。著書に『霞が関官僚の英語格闘記「エイゴは、辛いよ。」』(東洋経済新報社)などがある。

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