1位は、綾野剛と豊川悦司演じる不動産詐欺師が主役の『地面師たち』でした。たとえ作品を見ていなくても、「もうええでしょう」や「最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュ」といった名せりふを知っている人は多いのではないでしょうか。
タイトルにある地面師とは、他人の土地の所有者になりすまし、虚偽の売却を持ち掛け、多額の金をだまし取る詐欺師を指します。物語では、地面師のリーダー・ハリソン山中(豊川)が取りまとめ、辻本拓海(綾野)が交渉役を担います。
さらに、図面師役の北村一輝、法律担当役のピエール瀧、なりすまし手配師役の小池栄子ら、役割分担が緻密に組まれた詐欺グループが犯行を重ねていきます。登場人物の相関図には、山本耕史演じる騙される側の大手デベロッパーや、地面師を追う警部役のリリー・フランキーと池田エライザも加わります。
東京都品川区五反田の土地をめぐって実際に起きた17年の不動産詐欺事件から着想を得た物語で、現実世界でも横行する詐欺を題材にしたという身近さがあります。
100億円規模の詐欺が行われるというスケールの大きさに加え、見始めたら止まらない中毒性の高さが人気の理由です。後味の悪い展開が繰り返されても、巧妙な詐欺の駆け引きに引き込まれてしまう。コンプライアンス規制が厳しくなった地上波ドラマにはない要素も、この作品の売りでしょう。
24年の配信開始当時、日本のNetflix週間ランキングで6週にわたってぶっちぎり1位を記録し、グローバルTOP10でも非英語シリーズ部門で12週連続ランクインしました。Netflix日本オリジナルを代表するヒット作の1つであり、今回のランキングで1位となったことに、もはや驚きはありません。
Netflixの一番の“罪深さ”
今回のランキングを改めて見返すと、日本のNetflixオリジナルドラマで最も成功したシリーズが、実は入っていないことも驚きでした。世界90カ国以上でトップ10入りし、非英語シリーズのグローバルTOP10で1位を記録した『今際の国のアリス』です。
2位の『イクサガミ』と4位の『イカゲーム』と同じデスゲームものですが、渋谷を舞台にした山﨑賢人と土屋太鳳が主役の“若者”のサバイバルアクションという印象が強く、今回の新規加入者の視聴傾向とは少し異なっているのかもしれません。
そう考えると、野球を入り口にNetflixへ入ったテレビっ子世代が食いつきやすいキーワードが並ぶランキングだったとも言えます。深夜バラエティ、韓流、スポ根、時代劇、実話ベース――。地上波でかつて話題を作ってきたジャンルが、見事に反映されています。
しかも、いずれも刺激が強いエンターテインメントばかりです。一度この味を知ってしまうと、なかなか元には戻れない。Netflixが今回初めてWBCを独占配信した“罪の深さ”は、案外ここにあるのかもしれません。
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