ここまでをまとめると、肝臓サイドは「たんぱく質はたくさん摂ったほうがいい」、一方の腎臓サイドは「たんぱく質はなるべく少なめにしたほうがいいけれど、かといって少なくしすぎるのもよくない」ということになります。では、こうした場合、肝機能と腎機能の両方が気になっている人は、どのようにたんぱく質とつき合っていけばいいのでしょうか。
私は、こういうときは「もっとも怖ろしいリスクを避けること」を最優先に考えるべきだと思います。そして、この場合、もっとも怖ろしいのは「たんぱく質を控えすぎて筋肉を大幅に減らし、サルコペニアやフレイルを招いてしまうリスク」ではないでしょうか。
ですから、私は基本的に「たんぱく質はちゃんと摂る」というスタンスで臨むことを提案します。たんぱく質は人間の心身をつくっている基盤となる材料。これを減らしてしまうことは体の原材料を減らしているのと同じであり、原材料が入ってこないと人の心身はどんどんもろく衰えていってしまいます。だから、たとえ腎機能が低下していたとしても「減らす」「控える」という気持ちは頭から除外して、「ちゃんと摂る」ことを基本に据えていくべきだと思います。
もっとも、たんぱく質を摂りすぎて腎機能に負担をかけるのもよくないので、腎機能低下が気になっている人は「自分が摂っていい量の限界スレスレまで目一杯摂る」という姿勢をとるのがベストなのではないでしょうか。
摂りすぎるよりも、減らしすぎるほうがずっと怖い
なお、慢性腎臓病はステージG1からステージG5までの進行段階に分かれているのですが、ステージG2まではたんぱく質制限はないので、肉でも魚でも卵でも過剰な摂取をしなければ気にせず食べて構いません。
ステージG3以降は細かく摂取量が設定されていますので、それに従って「だいたいこれくらいの量までなら大丈夫」という感覚をつかんだうえで、「上限スレスレのライン」を攻めていくといいでしょう。
そして、「たまにちょっと摂りすぎたくらいなら、まったく問題ない」というくらいの余裕を持つほうがいいと思います。
とにかく、たんぱく質に関しては「摂りすぎるよりも、減らしすぎるほうがずっと怖い」という意識を持って接していくほうがいいでしょう。きっとその姿勢は、結果的にみなさんの肝臓と腎臓を守り、高いレベルの健康を長くキープしていくことにつながっていくはずです。





















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