茨城県「不法就労の通報」に"報奨金1万円"の波紋 検挙数全国最多の現場が悲鳴を上げる、ビザ制度との乖離
さらに言えば、来日している外国人労働者の多くは政府の制度を利用しており、彼ら自身が被害者であるケースも少なくありません。一部の雇用主は適切に賃金を支払わず、パスポートを取り上げ、脅迫するなど、彼らの安全と生活を脅かしている実態があります。
より深い問題は、「企業と、その内部で働く労働者を明確に切り離せる」という制度の前提にあります。
茨城県の多くは、小規模な農村部で構成されています。住民は毎日同じ労働者の姿を目にし、どの農家が誰を雇っているかを知っています。住民が企業を通報しようと決める時、そのきっかけとなるのは「そこにいる労働者」の存在です。そうであれば、企業を通報することと個人を通報することに、一体どれほどの違いがあるのでしょうか。
県側は個人の情報は受け付けず、「不法就労を助長している疑いのある事業者に限定して情報を受け取る」としています。しかし、狭いコミュニティにおいて、企業と労働者の状況は表裏一体です。ここに、書面上の政策と現実の運用との乖離が生じます。
労働市場が逼迫しているのは事実
これは住民と外国人労働者の間だけでなく、見解を異にする隣人同士の間にも、極めて緊張感のある状況を作り出す可能性があります。政策が「ターゲットではない」と言ったところで、労働者側が監視され、裁かれ、標的にされていると感じることは避けられないでしょう。
日本企業にとって重要なのは、この制度が「労働市場の逼迫」を象徴しているという点です。合法的な労働者を確保できない農家は増え続けています。農業、建設、介護など、多くの分野で日本が外国人労働者を必要としているのは明白です。しかし、日本のビザ制度や労働規則は、経済の現場ニーズと必ずしも合致していません。制度と現実が乖離したとき、その歪みは圧力となって蓄積されます。




















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