「10年で外国人倍増」相談件数急増の世田谷区から見る日本社会の歪み、"排外的な風潮"が日本人をも傷つける皮肉

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いまでこそ日本国籍を取得したが、振り返ってみればバイアスによってずいぶんと苦しんできた。

「その苦しみは外国人だけじゃないんです。日本人だって主婦や女性という立場や、大きな企業に勤めていないと不利になったり、新しいことにチャレンジしづらかったりする。そういう社会を変えるにはどうしたらいいのか。少しでも改善したいと、政治家になったんです」

立憲民主党の公認を受けて、暮らしていた世田谷区から出馬し、区議会議員に当選。現在は党を離れ、ひとり会派「世田谷から日本を愛する会」として活動を続ける。そしてにわかにクローズアップされるようになった在日外国人をめぐる議論についても発信を続けている。

「聖徳太子の言った『和を以て貴しとなす』という言葉こそ、多文化共生の基盤、軸だと思うんですよ。日本のほうでは多言語化や情報の周知をもっと徹底してほしい。外国人のほうは日本語をしっかり学び、日本のルールを守り、日本という国をリスペクトしてほしい。日本に愛を持った人が来てほしい」

多文化共生とは外国人を優先することではなく、お互いに助け合う社会のことなんだとオルズグルさんは力説する。

任期は2027年まで。その間、公約に掲げている多文化共生施策の拡充や起業に挑戦しやすい環境づくりなどに取り組むつもりだ(写真:筆者撮影)

日本型の共生モデルはつくれるか

「そのためにも、外国人にはこの国を理解して『生活者』になってもらいたいし、日本人はそういう『生活者』としての外国人を受け入れてもらいたい。確かに人手不足は深刻ですが、そこをカバーするためだけに低賃金の労働者をたくさん入れるというのは少し違うかなと思っています」

文化の異なる人々がともに生きることはできるのだろうか。

「いま日本は、ヨーロッパが移民を受け入れた初期の頃の段階にあると思います。ヨーロッパのプラスとマイナスの経験を学びながら、日本型の共生モデルはつくれると私は考えています」

その根となるのは、地域の日本人と外国人が、同じ生活者として互いを知ること。

「世田谷は東京23区でいちばん人口が多い区です(93万人。2026年3月現在)この世田谷が変われば、東京も、日本も変わると思っています」

室橋 裕和 ライター

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むろはし ひろかず / Hirokazu Murohashi

1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発の日本語情報誌に在籍し、10年に渡りタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。主な著書は『ルポ新大久保』(辰巳出版)、『日本の異国』(晶文社)、『おとなの青春旅行』(講談社現代新書)、『バンコクドリーム Gダイアリー編集部青春記』(イーストプレス)、『海外暮らし最強ナビ・アジア編』(辰巳出版)など。

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