小学館「マンガワン」問題で、被害女性が出した《1400字声明文》の凄み…「小学館を『許せない』とは言っていない」 の真意

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もちろん小学館の対応は重要ですが、利害関係の薄い第三者は糾弾するより監視する立場のほうが適切であり、自分たちが当事者となりうる今後に向けた仕組み作りに目を向けるほうが健全な社会に見えます。

被害者が投げかけた議論の数々

私たちは自分と家族や友人などの大切な人々をどのように守っていくのか。特に弱い立場に置かれやすく、まだ判断力や自己肯定感の低い子どもをどう守っていくのか。企業や学校にはどのようなガバナンスを求めていけばいいのか。性加害の立証に向けた高いハードルをどのように下げていくのか。

被害者から投げかけられたこれらの議論は今すぐにでも始められることでしょう。

また、被害者が「社会全体で子どもを性被害から護る仕組み作りを」という一貫したスタンスを貫けるのは「被害内容がいかにつらいことだったか」の証しにも見えました。

報道によると、高校1年生のときから卒業まで繰り返し性加害を受けたこと、卒業後も解離性同一性障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状に悩まされ大学に通えなくなったり自死をはかったりしたこと、加害者に反省の色が見られないこと、時効や証拠などの点で十分な判決が得られなかったこと、ネット上に誹謗中傷が書かれていることなどの苦境が報じられています。

被害者はそんな苦しさの中、勇気を出して加害者を訴え、さらに今回のメッセージを発信しました。しかもそれを10代から20代の若さで行ってきたことの意味は重く、私たちは同じ社会で生きる人間としてそれぞれの立場から応えていきたいところです。

小学館の対応を継続して見ていくことは当然として、いかにその先へ目を向けられるか。私たちは被害者のコメントから多くのことを教えられるとともに、どう振る舞っていくのかを試されているのかもしれません。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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