「ウイルス感染のニセ警告」はもう個人レベルの問題じゃない!トラブル遭遇の経済学者が提言する「自動車並みの安全基準」

✎ 1〜 ✎ 166 ✎ 167 ✎ 168 ✎ 169
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここで述べたような問題が起きるのは、スマートフォンやPC、そしてインターネットという道具が、社会的に必要とされる安全基準を満たしていないことを意味すると考えることもできる。そうであれば、この点に関して対処が必要だろう。

例えば、このようなトラブルが起こった場合に、簡単にこれを排除できるような仕組みを機器に備えさせ、簡単な手順で実行できるようにすることが必要ではないだろうか。現在の仕組みは、利用者に過大の負担をかけているとしか考えようがない。

自動車という移動手段を考えてみよう。この機械が発明された直後には、安全基準はなかったに違いない。その後のさまざまな事故の経験を経て、安全基準が確立されてきた。

安全基準が新製品の進歩に遅れるのはやむをえないこととはいえ、どんな技術に対してもそれは必要とされることである。インターネットやPCという新しい技術に関して、一般利用者が理解できる安全設計はこれまで十分ではなかったと考えざるをえない。

社会的な規制について検討すべきタイミング

われわれは、こうした問題を真剣に検討すべき段階にある。いま、世界各国でSNSに対する規制が問題とされている。また、AI(人工知能)の利用についても規制が必要ではないかという問題が提起されている。

これらの問題は、確かに重要だ。それだけではなく、本稿で論じたような問題についても、社会的な規制が必要なのではないだろうか。

「そんなことをやってもムダ。どんな対策があっても、相手はそれを乗り越えるだろう」という意見があるかもしれない。そうかもしれない。しかし、だからと言って、何もしなくてよいというわけにはいかないだろう。

野口 悠紀雄 一橋大学名誉教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

のぐち ゆきお / Yukio Noguchi

1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専門は日本経済論。『中国が世界を攪乱する』(東洋経済新報社 )、『書くことについて』(角川新書)、『リープフロッグ』逆転勝ちの経済学(文春新書)など著書多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事