あの大型イマーシブ施設閉館の裏に「稼働率100%でも赤字」の疑惑、マーケティングのプロが陥った"ある欲求"の怖さ
あの大型イマーシブ施設はなぜ、閉館したか
鳴り物入りでスタートした、都内の大型イマーシブ(体験型エンターテインメント)施設が、閉館を決めた。ここでは、その背景を冷静に整理してみたい。
当該施設は、著名なマーケティング企業が自己資金を投じて立ち上げた事業だ。この一点については、評価の余地を残すまでもなく、事業者としての覚悟を伴う決断であり、同じく自己資金を投じて事業に向き合っている立場として、率直に敬意を表したい。
一方で、コンテンツの出来・不出来以前に、事業構造そのものについては、どうしても看過できない点があった。
表現の好みや体験価値は人によって分かれるものであり、その是非を論じるつもりはない。問題は、より手前にある、極めて基本的な部分だ。
事業の収益構造は、突き詰めれば、「客単価×収容人数×回転率」という、極めて単純な算式で表せる。当該施設の場合、この三要素を掛け合わせた理論上の最大売上が、日々発生するランニングコスト(人件費、施設維持費、演出費、広告費、その他の固定費)を下回っている可能性が高かった。




















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