岡安氏は、長年の経験から「子ども一人ひとりの強みを活かす」以外に再生の道はないと確信し、学びの共同体を導入することを決断しました。
同時に、勤務時間内にすべての業務が終わるよう教育課程を整理し、教員が授業研究に没頭できる「精神的な余白」を作ったのです。この教育課程改革は、今では川口モデルとして市全体に広がっています。
そして、全職員にその思いを語り続け、地道に取り組んだ結果、職員室の雰囲気も変わっていきました。
「かつての職員室は生徒や保護者への愚痴が9割でした。しかし一歩一歩改革が進むと、会話は『あの子がこの瞬間にわかった顔をした』というポジティブな発見に変わりました」(岡安氏)
教師が子どもたちを「管理の対象」ではなく「共に学ぶ主体」として見つめ直したとき、奇跡が起きたのです。
かつて壊されることを恐れて飾れなかった生徒の美術作品が、今では「知のロード」として校内を彩り、地域住民も自由に参観に訪れる温かいコミュニティへと再生。その中で生徒たちは自尊感情を取り戻していったのです。
「入試の壁」を越え、本来の役割を果たす喜び
改革から3年、北中は「奇跡」と呼ばれる成果を上げます。県学力調査で全教科の伸び率が県平均を上回り、特に社会科ではかつて平均偏差値40前後だった学年が、市内トップレベルの偏差値55を記録したのです。





















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