偏差値10アップの成果も…「教えるではなく学び合う教室へ」「孤独の労働から支え合う教員へ」、2つの学校で起きた大変化

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川口市立北中学校の廊下
学校が荒れていた時代に作り替えられたという教室の廊下側。潜水艦と呼ばれる窓が印象的(写真:筆者撮影)

岡安氏は、長年の経験から「子ども一人ひとりの強みを活かす」以外に再生の道はないと確信し、学びの共同体を導入することを決断しました。

同時に、勤務時間内にすべての業務が終わるよう教育課程を整理し、教員が授業研究に没頭できる「精神的な余白」を作ったのです。この教育課程改革は、今では川口モデルとして市全体に広がっています。

そして、全職員にその思いを語り続け、地道に取り組んだ結果、職員室の雰囲気も変わっていきました。

「かつての職員室は生徒や保護者への愚痴が9割でした。しかし一歩一歩改革が進むと、会話は『あの子がこの瞬間にわかった顔をした』というポジティブな発見に変わりました」(岡安氏)

教師が子どもたちを「管理の対象」ではなく「共に学ぶ主体」として見つめ直したとき、奇跡が起きたのです。

川口市立北中学校の前校長の岡安孝文氏
北中をよみがえらせ、今は「学びの共同体」スーパーバイザーとして活躍する前校長の岡安氏(写真:岡安氏提供)

かつて壊されることを恐れて飾れなかった生徒の美術作品が、今では「知のロード」として校内を彩り、地域住民も自由に参観に訪れる温かいコミュニティへと再生。その中で生徒たちは自尊感情を取り戻していったのです。

「知のロード」としてよみがえった川口市立北中学校の渡り廊下
「知のロード」としてよみがえった渡り廊下 生徒たちの作品が飾られていた(写真:筆者撮影)

「入試の壁」を越え、本来の役割を果たす喜び

改革から3年、北中は「奇跡」と呼ばれる成果を上げます。県学力調査で全教科の伸び率が県平均を上回り、特に社会科ではかつて平均偏差値40前後だった学年が、市内トップレベルの偏差値55を記録したのです。

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