これだけの規模で一斉に相互利用が始まるのは、ロンドンやニューヨークにも例がないと大西社長は語る。stera transitが茨城交通のバス乗車でサービスを始めたのは2020年7月。5年半で232事業、45都道府県、2200駅にまで広がった。
【2026年3月11日11時35分追記】stera transitの事業展開について上記のように修正しました。
利用件数は過去3年で約11倍。「導入から利用促進のステージに入る」。大西氏はシンポジウムをそう締めくくった。
SuicaやPASMOは不要になるのか
海外では、すでにクレカによる交通乗車が870以上の都市に広がっている。国内でクレカ乗車がスタートした背景の1つは、21年の東京オリンピックにある。
海外からの観光客が交通系ICカードを買わなくても電車やバスに乗れるようにしたい。そんなインバウンド対策が、国内展開の足がかりになった。
コロナ禍で五輪は1年延期されたが、開発は止まらなかった。「当初はインバウンド対策で一部の路線だけという事業者が多かった」と、三井住友カードの石塚雅敏トランジット本部長は振り返る。
空港まわりの利用率は今も高い。新千歳空港の連絡バスで約30%、京急の羽田空港第1・第2ターミナル駅では24%がクレカ乗車で、そのうち67%が海外発行のカードだ。
変化は空港の外にも広がり始めている。石塚本部長によると「最近は地域住民の利便性向上や、高齢者のお出かけ支援など、対応する課題が増えてきた」という。
国内の日常利用が増えてくると、当然こういう疑問が出る。「SuicaやPASMOはいらなくなるのか」。
次ページが続きます:
【もうクレカさえあれば十分?】
