「空室4割超」でガラガラだった団地が《人気物件に大変身》したワケ 東京まで約1時間、家賃3万〜5万の"ちょうどよさ"
リノベにとどまらず、公社は「住まい方そのもの」にも目を向ける。働き方や暮らし方のニーズが多様になり、入居資格の緩和を試みた。
まず「在宅ワーク制度」だ。これまで執筆業やIT関連業務など住宅内でパソコン等を使用する個人事業主は、住居を仕事場や事務所とすることが制度上できなかった。二宮団地では制度を緩和し、個人事業主の住まい方に対応した。
「セカンドハウス」としての利用も広がる
「二地域居住」として、週末の趣味の拠点などセカンドハウスのような使い方も可能になった。同様の制度は、公社の浦賀団地でも採用されている。
また荷物が多い人や、家族が増えてもしばらく暮らしていきたい人などのニーズにあわせ「プラスワン住戸(二戸居住)」の制度を設けた。上下階か隣接している住戸という縛りはあるが、2戸分を借りられるのは魅力だ。
さて、これらの制度を一通り実践した人がいる。18年に夫婦で二宮団地に移り住み、5年ほど暮らしたライター・編集者の福井尚子さんだ。
福井さんは、DIY可能な「セルフリノベーション住戸」に惹かれて移住を決めた。DIYは本格的で、団地内に暮らすリノベの実践者のもと、天井・壁貼りに漆喰塗り、収納製作などを行なった。知人や団地の住民、公社の関係者なども集まって一緒に作業し、ワンルーム的な広がりのある空間を作り上げた。
フルリノベの家で福井さんは在宅ワークをして、子育てが始まった頃に実家に近い東京にも住まいを借りて二地域居住を開始する。コロナ禍の21年春には、家族でのびのび過ごせるように生活の拠点を再び二宮団地に戻し、二戸居住へと切り替えた。
「子育てをしながら夫婦ともに家で仕事ができるように、仕事部屋としてもう1住戸、契約しました。2戸目は階段室を挟んだ向かい側の家で、和室のある従来の間取りです。和室に机を並べて事務所のように使い、もう1室を物置にしていました。自宅から仕事場へすぐに移動できてとても楽ですし、子育て中で手狭な中で生活と仕事を分けられたことは本当によかったです」(福井さん)





















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