【株安・原油急騰】イラン攻撃で利上げは遠のく? "偽りのインフレ"に隠れた「実体経済の停滞」という難題

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10年物物価連動債から算出される「期待インフレ率(ブレーク・イーブン・インフレ率)」もまた、日銀に利上げを急ぐ必要がないことを示唆している。

2月末時点での今後10年間の予想インフレ率はわずか1.68%だ。また、投資家が予想する「実質金利」は0.35%に過ぎない。経済の停滞により、供給に対して資金需要が弱いことが背景にある。高市政権による国債増発の必要性をもってしても、この基本的な構図を変えるには至っていない。

(出所:https://www.bb.jbts.co.jp/en/historical/marketdata05.html)

27〜28年までに政策金利は1.5〜2%へ

市場の認識は、日銀の見解と概ね一致している。日銀は、景気を熱しも冷やしもしない「自然利子率(ニュートラル・レート)」を、マイナス圏からプラス圏のわずかな幅の間にあると考えている。

2%のインフレ目標を前提とすれば、現在の0.75%という政策金利は、自然利子率を大幅に下回っていることになる。つまり日銀にとって、現在の利上げは「引き締め」ではなく、金利を中立的な水準に戻す「正常化」のプロセスなのだ。

植田和男総裁は、この中立金利の具体的な水準について「推計には1%から2.25%まで幅がある」として明言を避けている。金融機関のエコノミストは、日本にはわずかなマイナス実質金利が必要だとの考えから、最終的に1.5%〜1.75%程度まで引き上げられると見ている。

一方、高市氏の経済ブレーンである会田卓司氏は、中立金利を0%と見なし、28年までに2%程度まで引き上げられると予測している。

リチャード・カッツ 東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)

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Richard Katz

リチャード・カッツ(Richard Katz)/東洋経済 特約記者。 カーネギー国際問題倫理評議会の元シニアフェロー。日本に関する月刊ニューズレター「The Oriental Economist Report」を20年にわたり発行、現在はブログ「Japan Economy Watch」を運営。フォーリン・アフェアーズ、フィナンシャル・タイムズなどにも寄稿する知日派ジャーナリスト。経済学修士(ニューヨーク大学)。著書に『「失われた30年」に誰がした』『腐りゆく日本というシステム』『不死鳥の日本経済』

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