【株安・原油急騰】イラン攻撃で利上げは遠のく? "偽りのインフレ"に隠れた「実体経済の停滞」という難題

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この数字は、日銀が26年1月の「展望レポート」で示した自信を裏切るものだ。

日銀は「基調的なCPI上昇率は……徐々に高まり、見通し期間の後半(27年度から28年3月)には物価安定目標(2%)と概ね整合的な水準になる」と主張した。

しかし、これは25年1月時点の予測から1年先送りされたものに過ぎない。日銀には、自らの政策が機能していると強弁せざるをえないがゆえに、インフレ予測を外し続けてきた最悪の過去がある。

エネルギー補助金は、コアインフレではなく「総合インフレ」によって生活水準を左右される有権者をなだめるために導入された。高市首相が消費税の2年間停止を公約しているのも同じ理由だ。

補助金の効果は絶大で、総合インフレ率は12月の2.1%から1月には1.5%へと急落した。エネルギー価格の上昇率は12月のマイナス3.1%から、1月にはマイナス5.2%にまで下がっている。

しかし、原油価格がまもなく1バレル=100ドル台を突破したことから(3月9日時点)、この傾向は逆転するだろう。現在、補助金は1〜3月分まで設定されているが、延長される可能性もある。一方で、家計支出の26%を占める食品のインフレ率は4%の高止まりだ。

結論として、不健全な「コストプッシュ型インフレ」は日銀に今すぐの利上げを迫り、一方で「コアコアCPI」は待機を促している。

賃上げの勢い不足が日銀に「待った」をかける

コアインフレが1.3%にとどまっている理由は、賃金が日銀の掲げる2%インフレ達成に必要な「年率3%成長」を大きく下回っているからだ。1月の名目賃金上昇率はわずか2.4%で、3カ月平均では2.2%に過ぎない。

低賃金は個人消費の低迷を招く。国内需要がこれほど停滞している中で、どうして健全な「需要牽引型インフレ」を享受できるだろうか。

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