Woltの日本撤退の一方で出前館が「お店と同価格」での配達を開始…「札束の殴り合い」に配達員が抱く"業界への違和感"
今、一部の配達員の間では、配達遅延を覚悟して配送依頼を拒否→報酬単価を引き上げ、タイミングを見て受託することが“普通”になりつつある。
順を追って説明しよう。デリバリーを利用する側はお会計後、当たり前だが、新たな追加請求をされることはない。けれど私たち配達員の報酬は違う。時間の経過と共に配達報酬が変化(右肩上がり)する。具体的には、このような流れになる。
お客様のオーダーが配達員Aに届く→「3キロの仕事で報酬は450円? これじゃあ割に合わないよ」と拒否する→配達員B、配達員Cに仕事が振られるが、こちらも同じように拒否→配達員に仕事を受けてもらうため、配達報酬が微増(480円など)→配達員Aに再度仕事が振られる→配達員が決まるまで、このやり取りを繰り返す。
※報酬の上がり方やタイミングは、デリバリー各社によって大きな違いがある。
私は1週間前の雨の日、配達用アプリを稼働させた瞬間、「往復5キロ・1件配送・報酬1700円」の仕事が舞い込んできた。これはつまりそれだけ長い時間、配送オーダーが“たらい回し”にされたことを予感させる(実際、私が迅速に料理をお届けしたとき、到着予定時刻を30分オーバーしていた)。
ただしこれほど好条件の仕事が、意図的に放置されているとは考えにくい。よってこの日は「配達員不足」が深刻だったと考える方が自然だが……。
これだけの好条件の仕事が転がっていても、誰も配達する人がいないのが今のデリバリー業界の実態であり、この高額報酬と配達遅延によるサービス低下(とどのつまり顧客満足度の低下)は、デリバリー各社に“ボディーブロー”のようなダメージを与えるのではないか。
激化する「配達員の奪い合い」も「お金」が物を言う?
その一方で、今配達員はウハウハなのか(稼げるのか)と聞かれたら、残念ながら答えはNOだ。
私が活動する神戸エリアでは、悪天候時以外は閑古鳥が大声で鳴いている。日によっては配達員同士で、割のよくない仕事でも「奪い合い」が起きるなど、デリバリー最前線の情勢は非常に不安定だ。注文数という名の“需要”と、配達員という名の“供給”。この“ミスマッチ”が続いている。
3月2日には出前館から配達員へ「重要」と書かれたメールが配信された。そこには「送料無料」および「お店価格」の影響により、注文数が想定を上回っており、配達遅延が発生しやすい状況となっている。遅れが生じても、可能な限りオファーを受けていただき、1件でも多くお客様にお届けできるようご協力をお願いします、といった内容が書かれていた。
SNSには出前館の新サービス以降、「注文数がかなり増えた」という喜びの声もあれば、私と同じように「ほとんど変わらない」「全然仕事がこない」といった声が混在している。
このような状況下で、デリバリー企業間での「配達員の奪い合い」も激化している。右肩下がりだった配達報酬を、改善する動きが少しずつ見られるのだ。例えばウーバーでは、報酬単価そのものに変化は感じないが、ここ最近は「インセンティブの増設」に力を入れている印象がある。




















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