Woltの日本撤退の一方で出前館が「お店と同価格」での配達を開始…「札束の殴り合い」に配達員が抱く"業界への違和感"

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なお出前館が「お店価格」のトライアルを始めたのは2025年9月から。よってウーバーと出前館、どちらが先にサービスを始めたのかは置いておいて……。デリバリー大手2社がロケットナウに脅威を感じた→同質化戦略(ミート戦略)でロケットナウとガチンコバトル→「お店と同価格の配達」が業界に定着しつつあるのだろう。

ちなみに同質化戦略とは、業界で大きなシェアを握るリーダー企業が、新たに参入してきた企業の新製品や新サービスを“模倣(コピー)”することで、相手の差別化ポイントを徹底的に封じ込めることだ。市場での違いを無くすことで、リーダー企業は競争優位を維持できる。強者側は(売り上げが大きいため)利益を上げやすく、消耗戦にも強い。

とはいえ競争が激化するデリバリー戦国時代では、各軍が“総崩れ”になるリスクもある、かもしれない。例えば出前館では、7年連続で最終赤字を記録している。2026年8月期の連結業績予測は、売上高は前期比11%増の441億円。最終損益は40億円の赤字(前期は49億円の赤字)を見込んでいる。

かつては投資家に期待されたが、ずっと赤字が続く出前館(画像:2026年3月8日・楽天証券スクショ)

つい先日は水色の配達用バッグ「Wolt」の日本撤退が話題になったが、デリバリー各社は本当に今のままで経営的に大丈夫なのか⋯⋯。不安が尽きないのは、私が現役配達員だからこそかもしれない。今フードデリバリーの最前線では、一般の人が知らないヤバイ事態になりつつある。

配達遅延&配達報酬の増加という「ボディーブロー」

今現場では、配達員のモチベーションダウンによる「配達員不足」+「配達報酬(コスト)の増加」のダブルパンチに見舞われている。

SNSには配達員が書き込んだと思われる、良くも悪くも「正直な投稿」を数多く見つけることができる。具体的には「単価が完全にゴミ化した」「報酬上げるために注文を取らないようにしている」「店で10分20分と待たされたら割に合わなくなるので、安請け合いはできない」などの投稿だ。

コロナが落ち着いて以降、配達報酬と配送依頼数は右肩下がり。フードデリバリーの仕事は「割のいい仕事」から「時給換算すると最低時給を下回ることもある仕事」へと大きく色を変えた。働いても稼げない状況に嫌気が差し、他業種に移っていた配達員は少なくない。けれど配達員にだって生活がある。

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