神戸地下鉄北神線「異例ずくめ」な路線誕生の背景 駅は「日本一高く」なったが運賃は大幅に下がった
こうして北神急行線は20年6月1日に神戸市営地下鉄北神線へと引き継がれた。同時に神戸市が実施したのが運賃の値下げだった。谷上から新神戸、三宮、県庁前までが280円で乗車できるようにした。以前の550円からほぼ半額だ。
神戸市の久元市長は口癖のように「人口減少時代を見越して、いまあるインフラを賢く使う」と強調する。もともと神戸市営地下鉄と一体的に運用してきた鉄道インフラを効率的に運用するには、神戸市営地下鉄に取り込む必要があると考えたのが、JR発足以来の鉄道民営化に逆らう異例の「市営化」につながった。
同時に阪急が総額で500億円を超すような大規模な「損切り」に踏み切ったのも異例だ。阪急は19年3月期決算で、北神急行電鉄に関する固定資産について約190億円の減損損失を計上。21年3月期には解散した北神急行電鉄を巡り314億円を債権放棄した。
運賃値下げで乗客大幅増
それに鉄道運賃の大幅値下げもほかに例が見当たらず、異例中の異例といえる。値下げの結果、24年度の1日あたり乗客数は約3万5000人になった。
市営化前の19年度は約2万4000人だったから乗客は5割近く増えた計算だ。市営化から5年が経過した25年7月の定例記者会見で久元市長は、北神線の買収について「かなり成功に近かったといえるのではないか」と話していた。





















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