また今回のドゥーギン発言には、トランプへの警戒論とは別の重要な意味合いもある。
ウクライナ侵攻が5年目に入ったにもかかわらず、依然として戦勝の見通しも示せず、さらにイランも守れないプーチン政権に対して、政権周辺から、不満が公然と出始めたことだ。つまり、表向きのトランプ批判は、事実上プーチン政権への苛立ちの裏返しの表明でもあるのだ。
プーチンへの事実上の異議申し立ては、ほかにも出た。形式的には野党ながら、事実上の与党である「公正ロシア・正義のために」党のセルゲイ・ミロノフ党首による最近の政府批判である。
ロシア政府は国民に広く使われている民間通信アプリ「テレグラム」の通信速度を大幅に遅くさせる計画だ。政権批判の拡散を抑え込むため、テレグラム利用者を、政府が新たに開発した官製の通信アプリに誘導することを狙っている。
「ロシア政府は何をしているのか。馬鹿者が」
しかし、テレグラムはウクライナでの軍事作戦においてもロシア軍内部で広く使われている。通信速度が遅くなれば、部隊内の連絡にも悪影響が出る。このためミロノフ党首は「一体、政府は何をしているのか。馬鹿者が」と語気鋭くこき下ろしたのである。
このミロノフ発言は、政府の計画について「初めて政権周辺から公然と真っ向からの批判が出た」と言われている。
つまり、これまでの絶対的権力者としてのプーチンの権威が、トランプ批判と表裏一体となった、保守派などからの政権への不満噴出によって、侵食され始めたと言える。
今後イラン情勢がトランプの望む方向で動くことが一層明確になれば、プーチン批判がさらに広がるのは確実だ。イラク情勢がプーチンに与える影響から目を離せない。
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